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《ノーノー達成》巨人・戸郷翔征(24)はなぜ“ドラフト6位”の低評価だった? 日本代表を圧倒も…関係者「あんなフォーム、怖くていじれない」 

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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photograph byJIJI PRESS

posted2024/05/29 06:00

《ノーノー達成》巨人・戸郷翔征(24)はなぜ“ドラフト6位”の低評価だった? 日本代表を圧倒も…関係者「あんなフォーム、怖くていじれない」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

阪神戦で史上89人目となるノーヒットノーランを達成した巨人の戸郷翔征。その活躍とは裏腹に、高校時代のドラフトでは決して高評価ではなかった

 プロに進んで、ほどよくフォームの枝葉をそぎ落とし、新たな「戸郷スタイル」を構築した戸郷翔征投手。もう「ブン投げ」という人は、誰もいないだろう。

 オリジナリティの中にある合理性。

 大きなテークバックというのは、コントロール不安や肩・ヒジに負担をかけると、悪者扱いされる傾向がある。だが、戸郷投手の場合はテークバックの軌道が大きいので打者の間合いの取り方が難しい上に、肝心のリリースのタイミングがピタリ合っている。だから、そこまで制球破綻もない。(※5月27日現在、58イニング3分の2で14四死球)

 なによりマウンド上でいかにも気分よく投げているのがわかる戸郷投手の淡々とした表情が一見独特に見える投球フォームのフィット感を表している。

 戸郷投手のフォームは「どこかで誰かに改善されたのか?」いろいろ訊いてみたのだが、

「誰かが直したとは、聞いたことないですね。徐々に長いイニング投げるようになった中で、球数が増えても体の負担にならないように、自然とアクションロスやパワーロスが減ってきた。本人が気づいて、少しずつマイナーチェンジしてきた結果ではないですか」

 返ってきた答えを総合すると、こんな感じになる。

 中には、「あんなフォーム、怖くていじれないですよ!」という本音に笑いをまぶしたような答えもあった。

戸郷が生み出した新しい「野球の法則」

 一般論では「いかがなものか」となっても、本人の感覚の中にピタリとフィットすれば、それはそれで、本人にとっては最良の方法論となる。「戸郷翔征」という存在が、新しい「野球の法則」を1つ、生み出したようだ。

 そもそもが、非常に打ちにくい球質と、タイミングを合わせにくい投球フォームのメカニズムがあって、そこにアベレージ140キロ台後半のパワーと魔球のようなフォークという強力な武器もある。左打者の外のボールゾーンから入ってくる新しい軌道も身につけて、こういう存在を「無双」と称するのか。

 巨人という球団の枠を超えて、「投手・戸郷翔征」がプロ野球界全体のトッププレイヤーに台頭する日が、もうすぐそこまで、やって来ているようだ。

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