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「本当にあの…」松井稼頭央監督が11秒も黙った“ある質問”…電撃休養、西武・松井監督「最後の1日」 ひとりで責任を背負い続けた指揮官の去り際
posted2024/05/27 17:21
text by
中島大輔Daisuke Nakajima
photograph by
JIJI PRESS
平石ヘッドが絞り出した言葉
渡辺GM兼監督代行の会見を終え、球団施設から駐車場へとつながる階段付近で待っていると、平石ヘッドコーチが現れた。報道陣が一斉に脇を歩き出す。
「止まりましょうか」
沈痛な表情の平石コーチは歩みを止め、報道陣に対応した。
2022年に打撃コーチとして西武にやって来た平石コーチにとって、松井監督はPL学園の5学年上の先輩だ。絶大な信頼を寄せられ、参謀として支えてきた。
もし松井監督がシーズン途中で解任されたら、平石コーチも一緒に去るのではないか――。
彼の熱情的で律儀な性格を知る者ならそう想像したはずで、筆者も同業者とそんな会話を交わしていた。
独特な低い声でなんとか回答を絞り出していた平石コーチが、本音を漏らしたのが終盤に一般紙記者から問われた質問だった。
――連勝の後の(松井監督の休養という)決定で選手たちのショックが大きいと思うんですけども、今後どういったケアの仕方だったり呼びかけだったりをしていきたいですか?
「うーん……この世界はね、成績次第でいろいろありますので。野球界だけじゃないですけども。いろんな思いがあるのは間違いないと思います。ただ、これは私自身にも言えることなんで。球団と松井監督ともいろいろお話をさせてもらって……すぐに(コーチ続行を)『はい、わかりました』っていう状況じゃなかったんですけども。ただ明後日(5月28日)からまた交流戦が始まりますんでね。そこはしっかりと前を向かないといけないと思いますし。選手の姿を見て、表情を見て、そういう声が必要なんだったらかけると思います」