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石川祐希でも高橋藍でもなく…世界を驚かす男子バレー“20歳の新星”「アルゼンチン戦で確信した」“身長2m”甲斐優斗のトンデモない可能性
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byVolleyball World
posted2024/05/25 11:04
石川祐希、高橋藍が不在の中、コートで存在感を発揮している甲斐優斗(専修大3年)。緊迫した場面でも物怖じしないサーブやスパイクが光る
甲斐はネーションズリーグ第2戦のセルビア戦にも先発出場し、オポジットの西田有志に次ぐ10得点でストレート勝ちに貢献。第3戦のキューバ戦は第5セットのスタートから入り、苦しみながらも相手のマッチポイントから強力なサーブを打ち込み、逆転への流れを作った。
甲斐はある意味、これまでの長身選手の概念を覆している。「これだけ身長があるのにこれもできる」ではなく、「これもできてあれもできて、その上、身長がある」という選手だ。
期待は高まるが、とはいえアウトサイドは層が厚く、石川、高橋藍という絶対的な存在がいる。比べるのは時期尚早だが、甲斐がいずれ2人を押しのけてポジションをつかむために必要なものは何か、真保コーチに聞いてみた。
「甲斐はもう、すべて持っていると思うんですよ、可能性は。もちろん今、技術的に足りないところはあると思うんですけど、そこは上げていける。
ただ、メンタリティの部分で、あの2人、石川と藍は、海外に行くことを自分で決めたり、積極的にチャレンジしてきた。今の2人を作ったのは環境が大きいと思いますが、その環境を自ら選んできました。すごく苦しい選択もしてきたと思います。
甲斐は(高いレベルでやれる)チャンスはあるので、そこを自分で選ぶかどうか。本当にそこだけだと思います。レベルアップするために、いい選択をする。日本にいることが不正解というわけではないと思いますが、常に自分のステップアップのために行動を起こすことができたら、すごい選手になるんじゃないですか」
今は周りに引っ張られ、背中をぐいぐい押されながら成長しているが、それが変われば……。
「アルゼンチン戦を観た時に、あ、もしかしたら、この1シーズンでそういうメンタリティになるんじゃないかな、と感じる部分はありました」と真保コーチは期待する。
欲が膨らみ、それに向かって行動を起こせるようになった時、甲斐はさらに、誰も想像が及ばない飛躍を遂げるかもしれない。
◇ ◇ ◇
《バレーボールネーションズリーグ/男子日本代表の予選ラウンド》※すべて日本時間
■第1週 リオデジャネイロ(ブラジル)
5/22(水)日本 3-1 アルゼンチン
5/24(金)日本 3-0 セルビア
5/25(土)日本 3-2 キューバ
5/26(日)2時〜 vsイタリア
■第2週 福岡県北九州市
6/4(火)19時20分〜 vsイラン
6/5(水)19時20分〜 vsドイツ
6/7(金)19時20分〜 vsポーランド
6/8(土)19時20分〜 vsスロベニア
■第3週 マニラ(フィリピン)
6/18(火)20時〜 vsカナダ
6/21(金)20時〜 vsオランダ
6/22(土)20時〜 vsフランス
6/23(日)20時〜 vsアメリカ
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