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石川祐希でも高橋藍でもなく…世界を驚かす男子バレー“20歳の新星”「アルゼンチン戦で確信した」“身長2m”甲斐優斗のトンデモない可能性
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byVolleyball World
posted2024/05/25 11:04
石川祐希、高橋藍が不在の中、コートで存在感を発揮している甲斐優斗(専修大3年)。緊迫した場面でも物怖じしないサーブやスパイクが光る
「最後は、ほんと、押し切られて(笑)。そこまでいったらやるしかないなーとは思っていたので。ブランさんにはずっと『Vリーグか海外に行ったほうがいい』と言われていて、大学の監督も『行ってこいよ』という感じだったので。海外のチームが決まった時に、パリ・バレーは(宮浦)健人さんもいるし、というのもあって。健人さんの負担になるかなとは思ったんですけど、少し頼りながらなら、頑張っていけるかな、というふうに思って」
冬場に上のレベルで経験を積まなければパリ五輪でのメンバー入りは難しいという周囲のハッパもあり、渋々のフランス行きだったが、甲斐は「(行って)よかったです」と微笑んだ。
「本当にバレーに集中できる環境だったので。大学では試合がない期間なので、まずそこで試合に出る機会をもらえたのはすごくよかったし、あとは本当にブロックに対して考える時間が増えた。練習の時から相手に高いブロックがあるので、常にそれを意識しながら、ただ打つだけじゃなく、リバウンドを取ったり、フェイントを増やしたり、すごく考える部分が多くなりました。速いサーブに対しても、まだまだですけど、慣れることができたのかなと思います」
宮浦健人も驚いた急成長「去年と全然違う」
パリでは、シーズン途中の加入ということもあり、最初はリリーフサーバーや大差がついた場面での途中出場が多かったが、次第に信頼をつかんでいった。プレーオフがかかった試合では流れを変える活躍でプレーオフ進出を決め、宮浦は「甲斐が頑張ったんで勝てました」と感謝した。
宮浦は甲斐の変化をこう語る。
「本当に伸び具合がすごい。去年の甲斐と今の甲斐は全然違います。もともと身長はあるんですけど、特にスパイクは高さが増して、コンディションがいい時は向こうでもブロックの上からバンバン打っていたし、スパイクの幅もパワーも。そこは一番成長が見えたのかなと思います」