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石川祐希でも高橋藍でもなく…世界を驚かす男子バレー“20歳の新星”「アルゼンチン戦で確信した」“身長2m”甲斐優斗のトンデモない可能性
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byVolleyball World
posted2024/05/25 11:04
石川祐希、高橋藍が不在の中、コートで存在感を発揮している甲斐優斗(専修大3年)。緊迫した場面でも物怖じしないサーブやスパイクが光る
また、「人としても」変わったと、宮浦は続けた。
「彼自身すごくシャイなので、最初はあまりオープンじゃないというか、口数が少なくて、僕から一方的に話すことが多かったんですけど、徐々に向こうから話しかけてくることも多くなりました。チームメイトもみんな、人としていい選手ばかりだったので、甲斐のこともしっかりフォローしてあげて、それに対して甲斐もオープンになってくれた。そういう部分も成長なのかなと思います」
昨年2月に甲斐が若手選手のフランス遠征に参加した時には、食事が合わず苦労し、それも海外への苦手意識につながっていたが、今回は対策が実ったようだ。
「炊飯器を持っていって、お米を食べられるようにしたので。お米があれば生きてはいけますね(笑)」と甲斐。
アルゼンチン戦で“確信”した真保コーチ
さらに1月中旬からは、日本代表コーチで、B代表の監督でもある真保綱一郎がパリ・バレーに合流し、サポートした。
3カ月間共に過ごした真保コーチは、現在Bチームの合宿中のためネーションズリーグには帯同していないが、初戦のアルゼンチン戦の映像を観て、甲斐がさらに次の段階に進んでいると確信した。
「パリでやっていた時は、ちょっとでもパスがずれたら高いトスを打っていたんです。だから展開がゆっくりだった。でも日本代表のあの集団に入ると、展開が速くないと追いつけない。そこに今、ついていっていますね。
今年の代表でも最初は、セッターの関田(誠大)が彼に打たせるためにちょっとゆっくりにしていたと思うんですけど、今は逆に、甲斐が代表のバレーに合わせているので、そこはすごい。パリでもすごく成長したんですけど、その後あの集団(日本代表)に入って、さらに違うレベルに、判断力とか、頭も成長したんじゃないかなと感じます。サーブレシーブもすごくうまくなっていますね」
サーブレシーブは4月の合宿では不調で、ブラン監督がつききりで指導する場面もあったが、5月に入ると何かをつかんだかのように安定したという。