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長谷部誠34歳「僕はこれからどうすれば?」中田英寿に相談して5年…“99%引退”からの現役続行「一番正当に評価してもらった時期かな」
posted2024/05/26 06:02
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Itaru Chiba
長谷部誠は自身のプロキャリアには3つのフェーズがあると考えている。
1:浦和レッズでプレーしていた時期
2:渡独した2008年から2018年のロシアW杯まで日本代表でプレーした時期
3:日本代表を引退して所属クラブでのプレーに専念した時期
3つ目のフェーズに入ったのが、2018年7月から始まった新シーズンだった。
代表引退後、中田英寿に相談したこと
このシーズンに入る前のこと。当時34歳の長谷部は日本サッカー界のレジェンド中田英寿に会い、個人的な相談をしている。ちょうど日本代表を引退したばかりの時期だった。
「『僕はこれからどこにいけばいいんですか?』と聞いたんですけど、本当に興味深いお話をしていただきました。ただ、どういうことを話していただいたのかはちょっと、自分の中だけで、とどめたいなと思います」
長谷部と中田と、同席したタレントの石橋貴明しか知らないアドバイスを胸に、長谷部は新シーズンへと入っていった。
ただ、前のシーズンをもって恩師であるコバチはフランクフルトの監督を退任。長谷部も34歳になっていた。信頼関係をイチから築くのは大変ではないか、という見方は確かに存在した。
実際、ヒュッター新監督(現在は南野拓実が所属するモナコを指揮)の下での滑り出しは決して芳しくなかった。
プレシーズン中はリベロでプレーすることの多かった長谷部は、開幕前のスーパーカップでも先発したがバイエルンにホームで0-5の大敗。途中からボランチに入った長谷部も失点に絡んだ。その後、リーグ開幕から2試合はベンチからも外れた。表向きには体調不良が理由だったが、「体調を崩していなくてもメンバー外だった」と後に振り返っている。
35歳にして年間ベストイレブンに選ばれた
しかし、である。
長谷部以上に苦しんでいたのは、ヒュッター監督だったのかもしれない。フランクフルトが機能するための最適解を見つけられずにいたからだ。
メンバーをローテーションする絶好のタイミングであるEL(ヨーロッパリーグ)の初戦、長谷部はインサイドハーフとして先発で送り出された。フランスの雄オリンピック・マルセイユを敵地で下した試合での好プレーで、ヒュッター監督の印象は変わった。
それゆえに、続くブンデスリーガの強豪ライプツィヒ戦でも先発で送り出された。