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〈マンガ〉藤井聡太王将3連覇でパイン姿のち「徹子の部屋」で将棋指南…「大谷さんも驚くけど、女流棋士と名コーチは20歳差婚!」観る将が描く
posted2024/03/02 06:00
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
Junsei Chida(illustration)/日本将棋連盟
様々なビックリなビッグニュースが多かった2月、将棋界も話題が超満載でした。まずは直近の29日に行われた「将棋界の一番長い日」から振り返っていきましょう。
1)豊島九段が名人戦挑戦…大激闘だったA級最終局
2月29日、静岡県静岡市の浮月楼にて第82期順位戦A級最終9回戦、一斉対局が開催されました。「将棋界の一番長い日」とも称される対局は今期、渡辺明九段以外の9人に「名人挑戦権、もしくはB1降級がかかる」という凄まじい混戦でした(もちろん渡辺九段も「来期順位」をかけた重要な戦いだったわけですが)。
対局結果、最終成績は以下の通り。
<最終9回戦対局結果>
○渡辺明九段-広瀬章人九段●
●菅井竜也八段-豊島将之九段○
○永瀬拓矢九段-中村太地八段●
●斎藤慎太郎八段-佐々木勇気八段○
○稲葉陽八段-佐藤天彦九段●
<第82期順位戦A級・最終成績>※同勝敗は順位順
7勝2敗:豊島九段※名人戦挑戦権獲得
6勝3敗:永瀬九段
5勝4敗:渡辺九段、菅井八段
4勝5敗:稲葉八段、佐藤九段、佐々木八段、中村八段
3勝6敗:広瀬九段、斎藤八段※2人は降級
最後の最後まで厳しい大接戦のすえ、名人戦への挑戦権を手に入れたのは豊島九段でした。仲良しで知られる菅井八段との真っ向勝負の末に得た勝利によって、久々にタイトル戦で「藤井聡-豊島」のカードが実現することに。すでに4月11、12日の第1局が楽しみで仕方ないです。
藤井名人解説と、各対局棋士の浮かべた表情が
僕ら夫婦も編集担当さんもYouTubeでチャンネルを替えながら見ていましたが、緊迫感あふれる雰囲気は、映像を通しても――現場はさらにすさまじいものだったと思いますが――ひしひしと伝わるものでした。それと同時に開催されていた大盤解説会での藤井聡太竜王名人の“言語化能力”も素晴らしかったです。やり取りしていた編集担当さんからはLINEでこんなメッセージが。
「平易な言葉でわかりやすいのに、全5局の状況がポンポンと移り変わっても即座に状況を判断してましたよね。そこに藤井竜王名人のスゴみを感じました」
対局を終える前後、A級残留がかかった各棋士の浮かべる表情が印象的でした。投了して他局の結果次第で降級という状況の中でも感想戦を続ける天彦九段と太地八段、直接対決で明暗が分かれた佐々木八段と斎藤八段。自力で残留を手繰り寄せた稲葉八段、そして広瀬九段……その結末には、毎年のように言葉を失います。ただ、広瀬九段と斎藤八段が今まで見せた強さを思い出せば、再びこの舞台に戻ってきてくれるはずと願っています。
A級昇級を決めた千田八段に結婚パワーあり?
壮絶だったA級順位戦ですが、来期への昇級をいち早く決めたのは千田翔太八段でした!