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“現役ドラフトの星”阪神・大竹耕太郎が自主トレで「陸上競技」に挑んだナゼ…更なる飛躍のヒントは「マラソン・大迫傑」の走りにあり?
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/03/01 11:02
昨年の日本シリーズでも先発し、日本一に大きく貢献した阪神の“現役ドラフトの星”大竹耕太郎。オフの自主トレでは意外な他競技挑戦を見せた
「今まで自分の中にあった走り方のイメージとは真逆だったので、とても新鮮でした。特に足首の使い方。今までは力を出そうとするほど後ろに蹴っていたので、蹴らずに進んでいく感覚はなかった。自分の脳内にないものを実際に見て、実際に行ってみて、良い刺激になりました。
また、体幹周りの使い方などは投げる動作にも応用がきくと思いました。体幹部の使い方が変わってくれば、ピッチングもおのずと疲れにくくなり、もうちょっと長い回行けるし、球の質も変わるんじゃないかなと思います」
新たな技術の習得に手応えを掴んだ様子だった。
器具を使ったウエイトトレーニングにしても、短距離走者が取り組んでいたのは筋力強化ではなく、瞬発力を高めることを目的としたもの。それも大竹にとっては新たな発見だった。
「すぐに全部を変えることは難しいですけど、本当に勉強になりました」
他競技のアスリートも多数参加
このスプリントトレーニングには、大竹の他にも、テニス、女子ラグビーといった他競技のアスリートも参加した。
また、早大競走部出身の五味トレーナーのつながりで、日替わりのゲストも豪華。北京オリンピック日本代表の竹澤健介さん(現・摂南大ヘッドコーチ)、ロンドンオリンピックなどに日本代表として出場した江里口匡史さん(現・大阪ガス短距離コーチ)、ベルリン世界選手権100m日本代表の木村慎太郎さんが、大竹に走りの極意を伝授した。江里口さんが指導する昨年の男子100mの日本チャンピオン、坂井隆一郎も訪れてトップスプリンターの走りを披露した。
探究心が強い大竹にとって、オフの自主トレーニングは重要なものだ。
昨シーズンに飛躍を遂げたのも、2年前から参加している和田毅投手との自主トレーニングで体の使い方を学んだことがきっかけだった。
新シーズンの目標はイニング数を増やすことを掲げている。
「昨シーズンは131回ぐらいだったので、新シーズンはプラス20回ぐらい投げられるようにしたい。今がだいたい7回前後なので、基準を(1試合につき)1イニング増やしたい」
この冬のスプリントトレーニングで新たな知見を得たことで、大竹はさらなる進化を見せる。