「板倉にとっても、仙台にとっても、あのタイミングだから良かったんだなって。考えれば考えるほど、運命だったのかもしれない。もしも1年でも前後していれば、どうなっていたかは分からないです」

W杯での活躍をどう見た？

©Shinya Mano/JMPA

　カタール・ワールドカップで日本代表の主力となり、たくましくなった25歳の背中を見たときは感慨を覚えた。

「仙台時代に『将来、日本を背負って立つ選手になるんだぞ』とよく話していたので。クロアチア戦（累積警告で出場停止）は出てほしかったけど、次回へのメッセージなのかなと。今後は代表を引っ張るような存在となり、次の大会では最後に味わった悔しさを晴らしてくれると思います」

　渡邉も先の話になると、顔を綻ばせた。

「まだまだレベルアップすると思うので、そのとき『僕がこんな選手になるとは思わなかったでしょ』と言ってほしいですね」

　まだ何者でもなかった仙台時代を知る人たちは、想像を超えていく男の未来に胸を躍らせている。

＜前編とあわせてお読みください＞