板倉滉は円陣に入らずロッカーへ、守田英正の横でイラン選手が楽器を鳴らし…まさかの敗戦直後、“TV中継には映らなかった”選手の姿

　取材エリアには沈痛な空気が流れていた。

　アジアカップ準々決勝イラン戦。日本は守田英正のゴールで前半28分に先制したものの、後半10分に1－1とされると、ロングボールに手こずって押し込まれ、延長戦突入まであとわずかだった後半アディショナルタイムにPKを献上。これを決められて1－2で敗れ、ベスト8で姿を消した。

　ミックスゾーンに最初に現れたのは堂安律だった。カタールW杯の時もそうだったが、堂安はいつも最初に取材エリアへやってくる。

　待ち構える報道陣の前で止まると、ハッキリとした口調でこう切り出した。

堂安が明かした「違和感」

「前回のアジアカップ、オリンピック、ワールドカップ、今回のアジアカップ。何一つ代表で成し遂げ切れていない。ふがいなさを今感じている」

　準々決勝敗退という現実を正面から受け止める言葉だった。

記者陣の前で「ふがいなさ」を口にした堂安　©Kiichi Matsumoto

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　一方で、敗因の真因についてはまだ整理し切れていない様子だった。

「前半は自分たちのペースでやれたが、後半、パワーで来る相手に対して、日本はほとんどの選手がヨーロッパでやっていてあのパワーに慣れているはずなのに、跳ね返せない。なぜか相手のパワーに支配された」

　違和感は1－0でリードして終えた前半からあったと言い、「（後半は）崩される感じもないのにやっぱり押し込まれる。見ていた人もやられそうという感じだったと思う。みんなが理解していたはずなのにやられた。何からくるのか分からないけど、負けに値するゲームだった」とまとめるしかなかった。

疑問の残る交代策…DF町田「信頼が足りなかった」

　堂安に続いてイラン戦で出番のなかった町田浩樹が姿を現した。数人の記者に声をかけられ、足を止めた。町田は決勝トーナメント1回戦のバーレーン戦で3－1とリードしていた後半35分にピッチに投入され、4バックから3バックにシステムを変えた中で3バックの一員としてプレー。長身選手を前線に2枚並べて圧力をかけてきたバーレーンに対し、190cmの長身を生かした対応で守備を落ち着かせていた。

出番のなかった町田は「（監督からの）信頼が足りなかった」とコメント（写真はインドネシア戦）　©Getty Images

　イラン戦でも同じように3バックの選択肢もあったのではないか。イランFWサルダル・アズムンとは昨季の欧州リーグで直接対峙した経験もある。

　記者たちの疑問に町田は、力なくこう言った。

「後半の完全に悪い流れになったタイミングで後ろを5枚にする選択肢はあったと思う。そこで森保監督が思い切って僕を選択できなかったのは、信頼が足りなかったのかなと思う」と自分に原因を求めた。

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