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核心にシュートを!BACK NUMBER
渡邊雄太の復帰は「リーグの均衡を崩す可能性も」…Bリーグ王者・琉球のエースが語る“日本の大黒柱”の存在感「外国籍選手を圧倒するレベル」
posted2024/05/11 17:02
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
(L)Hideki Sugiyama、(R)FIBA
昨年8月から9月にかけて熱戦が繰り広げられたバスケットボールW杯は、日本とフィリピン、インドネシアの3カ国共催だった。日本ですべての試合が行なわれたのは東南アジアとも距離が近い沖縄だった。
日本はW杯で5試合を戦い、3勝2敗。ただ、当時の世界ランキングでは対戦する5チーム中4チームが日本より上位に位置していた。つまり、3勝のうち2勝は格上のチームから手にしたものだった。
結果的にこの大会で「アジア参加国のなかで最高の成績を残したチームにだけ与えられるオリンピック出場権」を日本は手にした。自国開催の大会をのぞけば、オリンピック出場は48年ぶりのこと。新時代の幕開けを告げる快挙だった。
選手やスタッフから「沖縄だからこそ…」の声
実はそんな偉業に対して、選手やスタッフ、そしてファンからはこんな声があがっていた。
「沖縄だからこそ、成し遂げられたんだ」
アメリカ文化の影響もあり、沖縄県には至る所にバスケのコートやリングが設置されている。ここまで多くのコートがある都道府県は他にないだろう。
ただ、その「数」よりも「質」に沖縄のポテンシャルは眠っているという。琉球ゴールデンキングスのベテラン選手である岸本隆一がこんなことを言っていた。
「沖縄県外では、バスケが上手な人しかコートを使うことを許されないような“空気”があるんです。誰もが利用できるバスケコートの数が(他の都道府県は)少ないことも関係しているとは思うのですが……。でも、沖縄の場合は違います。僕から見ても『上手だな』と思うような子から、お世辞にも上手ではない子まで、さまざまです。追いかけっこと同じ(構図)です。
追いかけっこをするときに、『追いかけっこが下手だから』という理由で参加させてもらえないことなんてないですよね? それと同じように沖縄には、リングにボールを通すことを純粋に楽しむ人であふれている。そんなところから『沖縄ではバスケが文化として根付いているんだ』と感じます」