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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
鈴木彩艶21歳の告白「森保監督からレギュラー確約なかった」「差別的発言に触れた理由は…」“批判された守護神”が語るアジアカップの真実
posted2024/03/06 11:05
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Kiichi Matsumoto
森保監督から“レギュラー確約”の言葉はなかった
21歳の鈴木彩艶は、いかにしてアジアカップの正GKを託されたのか。
この大会のGK陣は、鈴木の他に前川黛也(代表キャップ数1)と野澤大志ブランドン(代表キャップ数0)というフレッシュな顔ぶれだった。「森保一監督からアジアカップの先発を任せると言われたのはいつだったのか」と鈴木に問いかけると、意外なことに「いつも通り、試合の2、3日前くらいですかね」という答えが返ってきた。
「初戦の前のミーティングで自分が先発だとわかって、そこから毎試合同じような感じでした。『全部行くぞ』という言葉は特になかったです」
つまり、レギュラーを確約されていたわけではなかった。これについて鈴木はどう感じていたのか。
「GKには前川選手も野澤選手もいて、2人とも非常に能力が高い。だから監督としても3人をトータルで考えた上で、『先発は定まっていないよ』と緊張感を与える意図があったのかもしれません」
その上で、このように続けた。
「自分のパフォーマンスで失点に絡んでしまっている中で森保さんに言われたのは、『これも経験だから、とにかく縮こまらずにトライし続けろ』ということです」
アジアカップではグループステージ初戦のベトナム戦に4-2で勝利したが、続くイラク戦は1-2で敗れた。「先発を外される」という不安はなかったのだろうか。
「GKはパフォーマンスが結果に直接関わってくるポジションですから、いつ替えられてもおかしくない。それは代表に限ったことではないので、危機感は常にありました。ただ、自分としては『もっとパフォーマンスを上げなければ』と試合毎に修正の連続で、『出る、出ない』については、あまり考えていませんでした」
鈴木彩艶が列挙した「ベトナム戦のミス」
ここからは、いくつかの失点シーンについて尋ねた。試合後にも質問を受けて都度しっかり答えていたが、映像分析も済んでいる今ならば、より踏み込んだ見解を持っているに違いない。