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《日本代表・失敗の本質》板倉滉は言い訳しなかったが…アジア杯前から“多くのハンデ”、中東勢のロングボール対策は? 取材記者が検証
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/02/09 17:02
バーレーン戦最終盤、足を痛めてピッチに座り込んだ板倉滉。実は大会前から厳しい状況の連続だった
そこから手術に踏み切り、12月にはボルシアMGで練習に復帰。ただ試合に出場することなく日本に戻ってきて、12月28日からの代表合宿に参加した。ボルシアMGのスタッフがわざわざ年末の国内合宿の練習を見学に訪れるほどだった。
結局、元日の試合に出場しなかった板倉は、その後にドイツへ渡り、ボルシアMGでの1月6日の練習試合への出場を余儀なくされた。
それでも板倉は一度も、言い訳をしなかった
一連の流れは日本代表もボルシアMGも板倉のことを大切な選手としてとらえているからこそである。ただ、板倉にはそれだけプレッシャーがかかっていたし、短期間での日本→ドイツ→カタールという移動や寒暖差は、負担となったはずだ。関連性のあるなしは置いておいて、体調不良になった板倉を責められる者などいないだろう。また、板倉自身はそうしたことを一度も言い訳として口にしなかったことを付記する。
そのような状況で板倉はイラン戦に臨んだ。そして、前半24分にイエローカードをもらった。この状態で良いプレーを望むのは酷な話だ。
そんな板倉を交代させる決断を下せなかったところに、森保監督の“らしくない”一面が見えた。
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