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箱根駅伝で四半世紀以上優勝なし…留学生ランナーは優勝への近道なのか? マヤカ、ダニエル、モグスから見る留学生の箱根駅伝ヒストリー
text by
工藤隆一Ryuichi Kudo
photograph byAFLO
posted2024/01/02 11:04
箱根駅伝の往路区間で毎年激走を見せる留学生ランナー。しかし、彼らを擁した大学が近年、優勝からは遠ざかっているという
過去10年間の予選会をクリアできなかった「残念組」の上位10校を見てみると、とくに近年、何とかして箱根駅伝の本戦に出場したい大学での留学生が目立っている。第99回大会の予選会では、これまで箱根を一度も経験していない日本薬科大(予選16位)のノア・キプリモ(ケニア=個人成績7位)がいた。予選会での個人成績1位は、ケニアのチャールズ・カマウだったが、所属する武蔵野学院大はまだまだ箱根駅伝には手が届かない32位だった。
「これから組」に留学生がいる
このように、これまで一度も箱根駅伝に出場していない大学で、何とか予選会で上位に食いこみたいのだが、その実力が十分についていないと思われる大学、具体的には、予選会21位以下の、5~10年後の将来を見据えた「これから組」に留学生が目立っているように思える。第98回大会では、23位の日本薬科大、24位の武蔵野学院大、29位の桜美林大。第97回大会では23位の平成国際大などである。
留学生はいまや箱根駅伝で超人的な走りを披露してくれる“旋風”ではなく、今後ステップアップを計画している、プロ野球でいえば「育成」レベルのチームの原動力になっているようだ。この先、110回大会あたりから、彼ら「シン・新興戦力」の「成果」が出てくるかどうか。そういう意味でも予選会からは目が離せない。
<「留学生」前編とあわせてお読みください>
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