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巨人&ヤクルトが熱視線「社会人投手の中でも完成度は高い」明治大時代に指名漏れ、センバツ準Vの151km右腕は「大学からの成長は実感できている」
text by
徳吉刑事Keiji Tokuyoshi
photograph byKYODO
posted2023/10/25 11:00
2017年、履正社のエースとしてセンバツを準優勝した竹田祐は明治大学を卒業後、三菱重工Westで成長を見せ、ドラフト注目の社会人右腕に
2学年上には20年セ・リーグ新人王の森下暢仁(現広島)、ひとつ上にはプロでは中継ぎで活躍している入江大生(現DeNA)がおり、竹田が明大のエース番号「11」を背負うようになったのは、最終学年になってからだった。
同年秋のリーグ戦期間中。明大の田中武宏監督は「一生懸命練習しているが、体格やポテンシャルの割には伸び悩んでいる」などと語っていたが、もちろん本人とて、手をこまねいていたワケではない。
試行錯誤を繰り返した大学4年間
度重なるフォーム修正に加え、投球の幅を広げようと新たにカットボールを習得。さらには西嶋一記投手コーチの助言で、今までプレートの三塁側を踏んでいたところを、真逆の一塁側に変更するなど、試行錯誤を繰り返した大学4年間であった。
2年後のプロ入りを目指して入社した三菱重工Westでは、社会人野球のレジェンド・守安玲緒(現投手コーチ)から、背番号「18」を禅譲された。
自分のフォームが嫌い!
すると日本選手権出場がかかる春の京都大会でMVP獲得。同夏の都市対抗では、ルーキーながら大事な初戦の日本製鉄鹿島戦を任された。
その緊張からか、竹田は初回こそ3長短打を浴びて2失点も、以降は尻上がりに調子を上げ、8回まで散発2安打8奪三振、無失点と粘投。同年ソフトバンク"ドラ2"の大津亮介には投げ勝ったものの、試合は抑え投手の乱調により、逆転サヨナラ負けを喫した。
しかし「トータルで試合を作れる実戦派右腕」という最大の持ち味を、社会人最高峰の大舞台でアピール。1年目からエース格の活躍を見せるも、竹田は「自分のフォームが嫌い!」などと打ち明けた。
都市対抗覇者、ENEOSに“1失点完投”
長い“試行錯誤”が実ったのが、巨人の岸スカウトも印象深い投球に挙げていた昨秋の日本選手権だ。