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巨人&ヤクルトが熱視線「社会人投手の中でも完成度は高い」明治大時代に指名漏れ、センバツ準Vの151km右腕は「大学からの成長は実感できている」
posted2023/10/25 11:00
text by
徳吉刑事Keiji Tokuyoshi
photograph by
KYODO
10.26──運命のドラフト会議が、まもなくやってくる。
『佐々木朗希世代』の大学生投手が大豊作の中、各スカウトから再注目を集めている有望な社会人投手がいる。
2017年センバツ準優勝右腕・竹田祐(履正社~明大~三菱重工West)だ。
柳裕也さんから教えてもらったカーブ
一昨年秋のドラフトでは「4位以下なら、社会人」という"順位縛り"もあってか、惜しくも指名漏れを経験している最速151キロ右腕は、自身「2度目のドラフト」での吉報を待ち望んでいる。
9月27日。鳴尾浜球場にて行われた阪神二軍vs三菱重工Westのプロアマ戦で先発した竹田は、184センチ、93キロの恵体から繰り出す質のいい真っ直ぐと、決め球にはスライダー&フォーク。そして「明大の練習会に参加した高2の冬に、柳(裕也/現中日)さんから教えてもらった」カーブをちりばめ、阪神打線を翻弄。初回先頭打者から連続空振り三振で波に乗ると、予定通りの4回を3安打、3奪三振。失点は、履正社の後輩・井上広大のソロHRのみに抑えた。なお、この日の最速は148キロ。自己最速151キロには及ばなかったものの、各スカウトが集結した今夏の都市対抗初戦で、まさかの4回持たずKOされた姿は、もうそこには無かった。
イチから身体を見つめ直した
「都市対抗翌日、実家に帰ってから映像を見返して、現状どういう投げ方をしているのかを確認しました。そこで今春の京都大会(※計273球投じて、先発&救援とフル回転)での疲労の影響からか、フォームがバラバラになってたことに気づいて、イチから身体を見つめ直し、体幹をより多く鍛えるようにしました」と、復調のカギを自ら分析した。
今回の収穫を尋ねたところ「(プロへの)手応えがない……」などと謙遜しながらも、「久しぶりに自分のボールが投げられた」。いつも以上に、ニコニコと笑顔を見せた。
巨人スカウト「元々、社会人投手の中でも完成度は高い」
この好投に、視察した阪神ほか5球団のスカウト陣は一様に安堵の表情を浮かべた。