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「久保建英がスペイン紙の一面に!」子供サポ「タケが決めるよ」予言通りマドリーを圧倒“ソシエダの熱狂”は翌日も…カメラマンは見た
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中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/05/06 11:04

レアル・マドリー戦での久保建英。ラ・レアルことレアル・ソシエダに熱狂をもたらした
右サイドに入った久保は、序盤より相対するナチョに激しいプレッシングをかけていった。また久保がサイドでボールを受けて縦への突破を図る際には、ナチョが激しく久保をストップする。
チーム対チームの中で行われる、プライドをかけた個人対個人の勝負。
また久保は、マドリーの心臓トニ・クロースへも激しいチャージを見せるなど、マドリーからペースを徐々にソシエダへと取り戻していった。
マドリーを圧倒したソシエダの中心に久保がいた
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前半の多くの時間で、ソシエダが――マドリーを圧倒した。
その中心にいたのは間違いなく久保だった。ナチョとの対峙で、縦へ抜き去ることこそあまりできなかったが、縦を封じられるならば――と中へ切り込み、巧みな足元のテクニックでシルバとコンビネーションを見せる。加えてCKからも決定機を演出してリズムを作った。
自ずとゲームキャプテンのオヤルサバルが、そしてCFセルロートが久保の元へ集まり、話し合う姿も増えていった。
スタンドも、ソシエダの好機に歓声をあげ、またマドリー寄りの判定には大きなブーイングを浴びせかけた。
0-0のまま迎えた後半キックオフ直後47分、冒頭のシーンが訪れた。
マドリーの精彩を欠いたミスによるゴールにも思えるが、セルロートの積極的な前プレス、そして試合後久保が「前半からミリタンが、GKにバックパスをする機会が多く感じられたので、それに合わせたポジションを取っていた」と話したように、自分たちの力でもぎ取った先制点でもあった。
何度も大きく響く“Take Kubo”コール
無人のゴールにボールを蹴り込んだ久保は、拳をぎゅっと握りしめたものの、自身の保有元であったクラブへのリスペクトから、仲間たち、そして自身へも”落ち着け”というようなポーズを取った後、それでも喜びを抑えきれなかったのか、膝からピッチへ滑り込みゴールを祝った。
久保が今季より所属するソシエダは、まさにCL出場権争いの真っ只中にいる。前節終了時点で4位ソシエダと5位ビジャレアルの差は5ポイント。残す6節の中に、上位3チームとの対戦を残すソシエダには、ポイント差ほどの余裕はない。
このマドリーへの一発は、ただのゴールではなく、CL出場へと近づくための大きなゴールだった。久保を取り囲む仲間たち、そしてスタジアムからは、大きく何度も“Take Kubo”の名がコールされた。