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甲子園の風BACK NUMBER
「大阪桐蔭ナインは卒業後に慶應、立教、青学と盤石…」プロ注目の高校3年生は卒業後どこに行く?「日大に“村神様”の弟」「指名漏れ154km右腕はパドレス」
posted2023/02/16 11:03
text by
内田勝治Katsuharu Uchida
photograph by
Nanae Suzuki
西谷浩一監督の母校にも2名が進学
昨春センバツ覇者の大阪桐蔭は、捕手の松尾汐恩がDeNAにドラフト1位で入団。その他3年生の進む大学も目を引く。
東京六大学リーグへは4番の丸山一喜が立教大、控え投手の別所孝亮が慶應義塾大にそれぞれ進学する。丸山は強力打線の中核としてセンバツ大会タイとなる8打席連続安打をマーク。先輩の山田健太(日本生命)、宮崎仁斗(トヨタ自動車)らが卒業し、手薄となった立教野手陣の枠に食い込めるか。別所も最速150キロの直球を武器に甲子園では通算6試合に登板。学業も優秀で、野球部から慶應義塾大への進学は2017年センバツを制した時の主将だった福井章吾(トヨタ自動車)以来、史上2人目となる。
東都大学リーグ1部にも主力が進む。主将の二塁手・星子天真、右翼手の谷口勇人は青山学院大、U18日本代表に選出された三塁手・伊藤櫂人は中央大、堅実な守備が持ち味の遊撃手・鈴木塁は駒澤大、センバツ決勝でバックスクリーンに本塁打を放った左翼手の田井志門は、昨秋リーグ戦で優勝を果たした国学院大の門を叩く。現在は2部ながら、歴代最多32度の優勝を誇る専修大には松尾の控え捕手だった工藤翔斗と、控え投手の小林丈太が入学する。
さらに首都大学リーグの日本体育大(川井泰志投手)、東海大(大前圭右内野手)、関西学生リーグの同志社大(近藤勝輝外野手)、西谷浩一監督の母校でもある関西大には2名(青柳佳佑投手、河田流空外野手)が名を連ねるなど、東西の名門大学が進学先にズラリと並んだ。
「3年生が全員野球続行」という出口戦略の成功
西谷監督は大学野球の選手名鑑をボロボロになるまで読み込み、翌年から手薄になるであろうポジションに合致する選手を売り込むという。かつては青山学院大で下級生から遊撃のレギュラーを張ったOBの泉口友汰(現NTT西日本)が卒業するタイミングで同ポジションの藤原夏暉が進学。昨春の開幕戦ではルーキーながら「9番遊撃」でスタメンに抜擢された。今季は藤原-星子の二遊間コンビがスコアボードに名を連ねる可能性もある。