松坂大輔「怪物秘録」BACK NUMBER
松坂大輔「リードしても終わらない予感」(連載19)
posted2023/02/11 09:00
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Kiichi Matsumoto
夏の甲子園ベストゲームの呼び声高い'98年の横浜対PLは延長に突入。突き放しては追いつかれのシーソーゲームで、再試合も頭を過るなか、延長17回ついに勝負が決する。
西の横綱・PL学園と東の横綱・横浜が激突した準々決勝。立ち上がりに失点を喫した松坂大輔は徐々にギアを上げていく。一方のPL学園は背番号10の左腕、稲田学を先発のマウンドへ送り出し、4-4の7回、エースの上重聡へとスイッチした。
◆◆◆
聡が出てきたのは7回だったかな。試合も終盤に差し掛かって、僕もやっとエンジンがかかってきた頃でした。4点も取られて、普通だったらもう手遅れですよね。でも、みんなが早い段階で打って追いついてくれたおかげで助かりました。