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《リーグ3連覇の栄光再び》世代交代に意識改革…広島・新井監督は未解決の難題をどう解決する?「カープの伝統は…」 

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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posted2023/01/02 11:02

《リーグ3連覇の栄光再び》世代交代に意識改革…広島・新井監督は未解決の難題をどう解決する?「カープの伝統は…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

新入団選手記者会見で、新人に囲まれてポーズを取る新井監督。この中から世代交代を担う人材は現れるか?

 編成上の影響もあったかもしれない。昨季までの実績などから予想した今季の基本オーダーからは、大幅な盗塁数増は望めないことが分かる。

◆2023年の予想基本オーダー

捕手 會澤翼、坂倉将吾
一塁 ライアン・マクブルーム
二塁 菊池涼介
三塁 マット・デビッドソン
遊撃 小園海斗
左翼 西川龍馬
中堅 秋山翔吾
右翼 野間峻祥

 2018年に17盗塁を記録した野間峻祥を除けば、積極的に盗塁を仕掛けられる選手は見当たらない。

 ただ、機動力が発揮されるのは、単に盗塁だけではない。次の塁を狙う意識が浸透すれば、攻撃の躍動感が増し、その幅も広がっていく。まず新井監督が着手しようとしているところである。

「カープの伝統は、やはり走り回る野球。足が速い遅い、盗塁ができるか、できないかではなく、もっと走塁の意識を持ちながら打撃と走塁の両面で相手にプレッシャーをかけられるようなチームにしていきたい」

1年目は意識改革から

 まず求められるのは、選手個々の走塁に対する意識改革。広島と似た機動力を武器とする西武で育ち、移籍2年目のシーズンとなる秋山翔吾も、その必要性を感じている1人だ。

「活気とか雰囲気を上げるのは、打つ、守るよりも、走る姿に出ると思う。走れる人が走るのは当たり前で、ベテランと、足の遅い選手に走る意欲があれば(より効果がある)。隙を狙っているなというチーム色を出せれば、相手からすると組みづらい相手になる。そういうところの先頭で引っ張っていけるようにとは思っています」

 今季は目に見える変化よりも、目に見えない変化を求める1年となるかもしれない。

 心が変われば行動が変わる。

 行動が変われば習慣が変わる。

 習慣が変われば人格が変わる。

 人格が変われば運命が変わる。

 心理学者のウィリアム・ジェイムズの言葉にたとえれば、新井体制1年目はまず心を変えるシーズンとなるかもしれない。多くの広島ファンが見たであろう初夢のような瞬間を運命とするためにも……。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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