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お正月もテレビで大活躍なのに…杉谷拳士が“芸能界”ではなく“社長”に転身する理由とは?「LINEはないやろ」中田翔センパイへの弁明も

posted2023/01/02 11:03

 
お正月もテレビで大活躍なのに…杉谷拳士が“芸能界”ではなく“社長”に転身する理由とは?「LINEはないやろ」中田翔センパイへの弁明も<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

起業に向けて忙しい毎日を過ごす杉谷拳士の“充実フェイス”。前編ではお世話になった栗山監督、斎藤佑樹、中田翔への感謝の思いを明かした

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田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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Shigeki Yamamoto

2022年限りで現役引退を発表した“球界のムードメーカー”杉谷拳士(2月4日に32歳)。この年始はテレビ番組に引っ張りだこのようだが、会社を設立した今の肩書きは“社長”である。切れ味鋭い思い出トークに合わせて、常に“前進”し続ける男の「決意表明」をお届けする(聞き手:田中大貴、全2回の1回目/#2へ)。

――まずは現役生活、お疲れ様でした。「引退」ではなく「前進」を発表してから、少し時間が経ちました。今の心境は?

杉谷拳士 朝起きた時にひじ・肩・腰をチェックしなくていい事実に寂しさも感じていますが(笑)、新しい仕事も始まっていますし、毎日ワクワクした気持ちで過ごしています。

――表情が穏やかになりましたね。

杉谷 最近は「充実フェイスだね」と言われます(笑)。

――改めて、ユニフォームを脱ぐことを決めた時の心境についても教えてください。

杉谷 札幌ドームの最終戦に両親を呼んだんです。「(札幌ドームの)最後でもあるし、来なよ」と言ったら、両親は「あんた、そんなこと言う子とちゃうやん」と驚いていて。そこで、あとどれくらいやるかわからないとか、思っていたことを話しました。

――そのときはまだ引退することは決めていなかった?

杉谷 決めていませんでした。ただ、将来の進む方向性を初めて両親に話すことができたので、少しスッキリしました。そこから1、2週間ぐらい経って、吉村(浩/前GM)さんや稲葉(篤紀/現GM)さん、栗山(英樹)さん、(斎藤)佑樹さん……いろんな方にお話しする機会を設けて頂きました。

「新球場でプレーしている自分よりも…」

――決め手になったことは?

杉谷 9月あたりに新球場(エスコンフィールドHOKKAIDO)を見に行ったのですが、観客席がすごく近くて素敵だなあと思う反面、こんなに球場が狭いなら戦術が変わってくるだろうなと、ふと思ったんです。グラウンドでプレーしている自分よりも、外から見ている自分のほうがイメージできたというか……。自分の中で「あっ、こんな中途半端な気持ちじゃダメだな」と思いました。あとは、やっぱり栗山さんの言葉でしたね。昔から言われていたことが頭の中から離れませんでした。

――どんな言葉ですか?

杉谷 「拳士は拳士らしく、前に進むんでしょ」と。その前に進む、「前進」ということですよね。僕の野球人生の中で一番大きい言葉だなと思って。

――だから「前進」すると。監督就任の頃からよく言われていた言葉なんでしょうか。

杉谷 そうですね。やっぱり僕みたいな性格の選手を見ると、中には「あいつ、うるさいよ」と思う方もたくさんいたと思います(笑)。でも栗山さんは「杉谷拳士は杉谷拳士らしく前に進んだら、最後、終わるときに全員がおまえのこと認めてくれるから」と言い続けて下さいました。

 この言葉を大切に自分らしさを貫いていたら、最後にあんな胴上げをしてもらえました。人生の中でも一生の宝物になるようなシーン。栗山さんの言葉を信じてよかったです。

【次ページ】 大谷、ダルを口説ける栗山監督の魅力

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