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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
WBC投手陣14人を大胆予想! ダルビッシュも参戦…カギとなるのは大谷翔平の起用法か? リリーフに推したい”最後の枠”とは
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byGetty Images / Nanae Suzuki
posted2022/12/20 18:05
WBCへの参戦を表明したパドレスのダルビッシュ有(左)とエンゼルスの大谷翔平(右)
その点では東京五輪で同じような役割を担った伊藤の存在感はWBCでも大きい。第2先発も、回の途中からでもスイッチできる、ユーティリティーリリーバーとして、この右腕は日本代表には欠かせない投手の1人となっている。
リリーフ投手の選抜基準とは…
リリーフ投手の選抜の基準は、真っ直ぐと落ちるボールのコンビネーションを軸にした投手ということになる。第4回大会に出場したソフトバンクの千賀滉大投手は「有効だと思ったのがフォーシームとスプリットのコンビネーション」だと語っている。そのため先発陣はもちろん、リリーフ投手は特に横よりも縦の変化で抑えられる投手を選択した。そこが宇田川の抜擢のポイントだが、選択肢としてはオリックスの山﨑やDeNAの伊勢、山﨑の両右腕らのリリーフのスペシャリストをオプションとしても考えられる。
特にDeNAの山﨑は東京五輪ではあまり登板はなかったが、中日の大野雄大と共に早い回から肩を作ったり、緊急事態に備えてスタンバイして縁の下から投手陣を支えた存在だった。どうしても表に出る選手ばかりを考えがちだが、そういう役割を担う選手も代表チームには必要で、リリーフ陣の最後の1枠に選ぶという選択があってもいいかもしれない。
あともう1つの問題は対左を想定した変則系のスペシャリストを入れるかどうかだが、そこで名前が出てくる高梨や嘉弥真はスピード不足が少し気になるところだ。
「左サイドやアンダースローみたいな変則投手は『慣れていないから』と考えがちだが、やっぱりメジャーリーガー相手ではスピードがないと打たれる」
かつてメジャーでも活躍したオリックス・田口壮コーチがこう語っていたのが、頭にこびりついている。そういう意味では高梨や嘉弥真はややスピード不足が懸念されるところだ。ならば対左を想定した投手を選ぶなら、ボール持ちが良くて、実際の球速より打者の体感が速く感じる岩崎という選択肢があるかもしれない。
WBCの球数制限は1次ラウンドが1試合65球、2次ラウンドは80球で準決勝以降は95球。また1試合で50球以上投げたら中4日、30球以上、あるいは2試合連続で投げた場合は、必ず中1日、空けなければならないというのがルールだ。
ちょっとでも走者をためる場面になれば、球数30を越えるケースは簡単にでてくる。そのためにクローザーも栗林をベースに松井と2人を用意する。準々決勝以降は松井が左のリリーフ要員に回れば、リリーバーの左右バランスもよくなるはずである。
<「#2 野手編」に続く>
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