大谷翔平の舞台裏:ドジャース異聞BACK NUMBER
「ベッツにリスペクトはあるが…」大谷翔平を申告敬遠した“対戦監督のリアルな本音”…何度も対戦した投手が明かす「弱点が消えている」という恐怖
posted2025/04/25 11:03

打者・大谷翔平の“恐さ”を対戦投手・監督が明かす――。
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斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph by
Getty Images
4月19日に第1子の誕生を報告し、父親となった大谷翔平。プレーでもプライベートでも充実感をのぞかせる大谷だが、“対戦相手”はその脅威を身をもって知っている――。現地で取材を続ける斎藤庸裕氏が“大谷翔平の舞台裏”を解説する。
ドジャース大谷翔平投手(30)が与える打者としての脅威は、今季も他球団の悩みの種となっている。開幕して間もないタイミングで、その状況を物語るシーンがあった。3月29日のタイガース戦、2―2の5回。右腕リース・オルソン投手を攻め、2死三塁としたが、1番打者の大谷は申告敬遠で歩かされた。
相手バッテリーは、右腕リース・オルソン投手と右打者のテオスカー・ヘルナンデス外野手(32)との対戦を選択。これが裏目となった。三塁線を破る強烈なゴロで2失点。決勝点となった。
敵将A・J・ヒンチ監督は、試合後のインタビューでこう振り返っていた。「彼は世界最高の選手。テオスカーにゴロを打たせて、実際にそうさせたが、もう少しのところだった。私の考えに大谷との対戦は全くなかった。(逆に対戦しても)どう転んでいたか、分からない」。大谷を打ち取れるイメージが湧かなかったという。
何度も対戦した投手が解説「課題がなくなっているんだ」
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これまでの打者大谷の進化を考えれば無理もない。かつて、ライバル球団の救援投手で大谷と度々対戦した投手が、興味深いコメントを残していた。
「何か課題(弱点)を見つければ、次の年には、それがなくなっているんだ。とても早く対応できる。それが、他の選手に比べてすごく優れている」
大谷がメジャー1年目の時から対戦を重ねてきたリアム・ヘンドリックス投手(36=レッドソックス)の言葉だ。確かに大谷は年々、ウィークポイントとみられるコースを克服し、メジャー屈指の好投手を打ち砕いてきた。