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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
WBC投手陣14人を大胆予想! ダルビッシュも参戦…カギとなるのは大谷翔平の起用法か? リリーフに推したい”最後の枠”とは
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byGetty Images / Nanae Suzuki
posted2022/12/20 18:05
WBCへの参戦を表明したパドレスのダルビッシュ有(左)とエンゼルスの大谷翔平(右)
もちろん日本代表の最終目標は世界一奪回だが、そのためにはまず、過去2大会で敗退した準決勝の壁を破らなければならない。その重責を担う先発はMLBの中での格、実績ともに申し分ないダルビッシュ以外には考えられないと思う。準決勝は日本時間3月20日か21日。そこから時差調整なども考えて逆算すると、1次リーグでは10日の韓国戦にダルビッシュの登板が有力となる。
日本ラウンドの最終戦となる準々決勝の先発は、大谷が先発に回れば最有力。残る決勝は山本でどうだろうか。もし大谷が1次リーグでリリーフに回れば、準々決勝は山本が先発して、逆に決勝マウンドは大谷に任せるという選択肢も出てくる事になる。いずれにしてもこの3投手が、一発勝負となる準々決勝以降の試合に振り分けられるのは確実だろう。
そして準々決勝に投げる投手が3月9日のオープニングとなる中国戦に先発。決勝に投げる投手が12日のオーストラリア戦に回る。残るチェコ戦は佐々木ということになるが、もし大谷が1次リーグでリリーフに回ったケースは、オーストラリア戦は強化試合で好投した今永が先発に回る可能性が出てくる。
第2先発グループの陣容と気をつけるべき課題
第2先発グループでは、最もマークすべき韓国戦の2番手は基本的には今永になるはずだ。ただし大谷が後ろで今永が先発に回れば、ここにすんなり大谷が入ることもありえる。そして残る3人は相手打線の構成を見ながら、右の戸郷と左の高橋、宮城を臨機応変に起用していく。
注意しなければならないのは、この第2先発グループはいずれも、レギュラーシーズンでは回の頭、走者を置いていない場面からマウンドに上がっているという点だ。
代表に入ってくる投手のポテンシャルは高く、リリーフでも最初からフルスロットルでの投球はできる。しかし国際大会では何が起こるかわからない上に、慣れないポジションの投手にはできるだけいつもの状態に近い形でマウンドに上げる慎重さも求められる。
2009年の第2回大会では、延長の末にあのイチローの決勝タイムリーで侍ジャパンが韓国を破り連覇を果たした。しかし実は9回1点リードの場面でクローザーとしてマウンドに上がったダルビッシュが同点に追いつかれての延長戦突入だった。また、2015年のプレミア12で日本代表は準決勝の9回に韓国に逆転負けして決勝進出を逃しているが、その時は8回から大谷を救援した則本昂大投手(楽天)が、回またぎの9回もマウンドに上がって3連打を浴びて4点を失ったものである。
いつもと違う環境は投手にとっては大きな負担なのはいうまでもない。だとすれば先発投手が仮に崩れて走者を置いた場面での交代となるなら、まずはそういうシチュエーションに慣れているリリーバーを挟んで、次の回から第2先発の投手にスイッチするなどの配慮も必要だろう。