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“オルフェーヴルまさかの斜行”がもう10年前…海外競馬評論家・合田直弘に聞く凱旋門賞の攻略法「日本馬は迷宮に入り込んでしまった」
posted2022/11/26 17:25
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph by
AFP/JIJI PRESS
2022年10月2日、パリロンシャン競馬場。101回目の凱旋門賞を制したのは、ルーク・モリス騎手が騎乗したイギリスの5歳牝馬アルピニスタ(マーク・プレスコット厩舎)だった。
悲願の初制覇を目指す日本からは、タイトルホルダー、ステイフーリッシュ、ディープボンド、ドウデュースの4頭が参戦。それぞれ脚質や血統、臨戦過程が異なるラインナップだけに善戦が期待されたが、最高着順はタイトルホルダーの11着と、またしても世界最高峰の高い壁に阻まれる結果となった。
この惨敗を受けて、競馬関係者やメディア、ファンの間でさまざまな“敗因”が取り沙汰された。日本とは大きく異なるロンシャンのタフな芝やコース形態、レース直前に降り出した雨による馬場の悪化、現地での調整の難しさ、あるいはクラシックディスタンス(2400m)における欧州馬との力関係……。求められる能力の違い、競争条件の厳しさから「そもそも凱旋門賞へのチャレンジは無謀なのでは?」といった悲観論も散見された。
“世界の合田”もため息「どうすれば勝てるのか…」
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競馬評論家の合田直弘氏は、凱旋門賞制覇への道のりが「迷宮に入り込んでしまった感じがありますね」とため息をつく。
「これまで、日本の関係者が大変な努力と工夫を重ねてきたことは疑いようもありません。日本馬の能力自体も高くなっていますし、調教技術や輸送のノウハウも蓄積されて、ジグソーパズルの最後のひとつ、ふたつのピースをはめる段階までやってきていた。しかし近年は、最後のピースがはまらないどころか、むしろ迷彩が施されてパズルの全体像が見えなくなってきている。今年もタイプが違う4頭がまったく異なるアプローチで挑戦したにもかかわらず、ああいった結果になってしまいました。多くの人が感じているように、『どうすれば勝てるのか……』というのが率直な気持ちです」
合田氏のいう「迷宮」や「迷彩」とはどういったニュアンスなのだろうか。その表現を選んだ理由として、近年の凱旋門賞における苦戦だけではなく、2頭の日本馬の海外での好走があるという。