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ソダシがまた“競馬史”を書き換えるのか…マイルチャンピオンシップを勝つのは白毛の女王か、「ポテンシャル天井知らず」の3歳馬か? 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2022/11/19 11:02

ソダシがまた“競馬史”を書き換えるのか…マイルチャンピオンシップを勝つのは白毛の女王か、「ポテンシャル天井知らず」の3歳馬か?<Number Web> photograph by Photostud

前走・府中牝馬Sでは2着だったソダシ。マイルCSでは、3歳世代や強豪古馬勢らとの戦いとなる

弾ける準備は万端…ダノンスコーピオン

 天皇賞・秋をイクイノックスが制し、ダノンベルーガが3着となったように、今年の3歳勢はレベルが高い。

 その世代のマイル王決定戦のNHKマイルカップを制したのがダノンスコーピオン(牡3歳、父ロードカナロア、栗東・安田隆行厩舎)だ。前走の富士ステークスは、同じ3歳のセリフォスより2kg重い56kgを背負い、目標にされる不利もあって3着。それでもコンマ1秒しか負けなかった。前進気勢が強く、乗り難しいタイプだが、そのぶん脚が溜まったときの爆発力は凄まじい。川田将雅が完全に手の内に入れており、今回も、弾ける準備はできている。

 勝てば、「短距離王国」と言われる安田厩舎の古馬牝牡混合短距離GI完全制覇(高松宮記念、安田記念、スプリンターズステークス、マイルチャンピオンシップ)となる。王国によるコンプリートが達成されるか、こちらも楽しみだ。

 そのダノンスコーピオンを富士ステークスで負かしたセリフォス(牡3歳、父ダイワメジャー、栗東・中内田充正厩舎)は、デビューからの7戦すべてが芝のマイルという、生粋のマイラーである。朝日杯フューチュリティステークスでも、NHKマイルカップでも1番人気に支持されたが、2、4着。3歳馬としてただ1頭挑んだ安田記念ではコンマ1秒差の4着と力を見せたが、いまだGI勝ちはない。「GI請負人」ダミアン・レーンを配し、初タイトルを狙う。

シュネルマイスター、サリオスも好調

 芝のマイルでの安定度では、昨年のNHKマイルカップを制したシュネルマイスター(牡4歳、父キングマン、美浦・手塚貴久厩舎)が一番か。5戦2勝2着2回3着1回とまったく崩れていない。

 前走は、最大目標であるこのレースへの間隔を考慮し、あえて距離不足のスプリンターズステークスに出走させて9着。勝ち馬とはコンマ5秒差で、着順ほど大きく負けなかったし、思っていた以上にすんなり追走し、速い流れに対応していた。マイルでもゆっくり構えすぎるレースが多くなっていただけに、あの一戦がカンフル剤となって、好位差しの横綱相撲につながるかもしれない。昨年グランアレグリアの2着に惜敗した悔しさを晴らしたいところだろう。

 前走の毎日王冠で2年ぶりの勝利をおさめたサリオス(牡5歳、父ハーツクライ、美浦・堀宣行厩舎)も好調だ。3年前の朝日杯フューチュリティステークスを勝ち、一昨年の皐月賞とダービーでコントレイルの2着になった強さは失われていない。このレースには3年連続の出走となり、一昨年は2番人気で5着、昨年は3番人気で6着。3度目の正直となるか。完勝した朝日杯以来のコンビとなる名手ライアン・ムーアの手綱で頂点を目指す。

【次ページ】 「ポテンシャルは天井知らず」の馬が本命だ

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