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ケガ人続出、三笘薫不在など大ピンチに見えるが 田中碧・板倉滉・浅野拓磨の回復度の確認に加えて…〈W杯前ラスト試合の4大テーマ〉 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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posted2022/11/17 11:21

ケガ人続出、三笘薫不在など大ピンチに見えるが 田中碧・板倉滉・浅野拓磨の回復度の確認に加えて…〈W杯前ラスト試合の4大テーマ〉<Number Web> photograph by Atsushi Iio

シーズン途中に開催される異例のW杯。日本代表選手も所属クラブでの現状で状態がまちまちだ

テーマ1:先発を明言、田中・板倉・浅野の回復度合いは?

 質疑応答の流れの中で森保監督は、17日のカナダ戦で先発する2ボランチが柴崎岳と田中であること、板倉と浅野も先発出場させることを明言したのだ。

 田中、板倉、浅野は前述したように、負傷によってW杯への出場が危ぶまれていた選手たち。彼らがどこまで回復し、どれだけプレーできるのか――。それがカナダ戦で確認しておきたいひとつ目のテーマだ。

「実戦じゃないと分からないことがある。トレーニングでは紅白戦や試合形式の練習にも入っているので、問題ないと思っています。試合の緊張感を明日は感じられると思うので、僕にとってはすごくポジティブな試合になると思います」

 板倉がそう意気込めば、浅野も決意を口にした。

「監督からは『大丈夫か?』と冗談交じりに聞かれて、『90分いけます』と返しました。何分いけるかはそのときの自分次第。もしかしたら15分、20分でバテるかもしれないですけど、とにかく自分にやれることを全力でやりたい」

テーマ2:コンディションのバラツキをなくす

 ふたつ目のテーマはコンディションのバラツキをなくし、仕上げていくことだ。

 Jリーグでプレーする国内組は、11月5日のJ1最終節を最後に実戦から遠ざかっている。一方、欧州組は直前まで試合をこなしているが、9日、12日、13日と最後の試合がマチマチなのだ。

 それゆえ、キャンプ地であるドーハ入りのタイミングも、トレーニングに参加するタイミングもバラバラだった。

 国内組は試合勘を取り戻すために積極起用したい一方で、13日に行われた所属クラブのリーグ戦で長い時間プレーした鎌田大地、伊東純也、堂安律は17日のカナダ戦に強行出場させるより、疲労回復に努めたほうがいいだろう。

 となれば、カナダ戦のメンバーが自ずと浮かび上がってくる。

テーマ3、4:基本コンセプトの確認、課題の最終チェック

 3つ目のテーマは、代表チームのやり方、基本コンセプトの確認だ。アメリカ、エクアドルと対戦した9月シリーズから約2カ月が経った。その間、所属クラブで選手たちは過密日程をこなしている。「自チームで何試合もやっているので、その形が染み付いちゃっている」とは吉田の言葉。このカナダ戦でしっかりスイッチを入れ、代表モードに切り替えなければならない。

 そして最後は、これまでの課題の最終チェックだ。例えば、先制され、ビハインドを負ったときにどんな戦いをするのか。

 あるいは、これまで苦手としてきた相手の3人のビルドアップ隊による“3枚回し”への対応をどうするか。

 とりわけ後者に関しては、アメリカ戦の後半やエクアドル戦、さかのぼれば、21年10月のサウジアラビア戦や19年2月のカタールとのアジアカップ決勝でもプレスがハマらず、後手を踏んできた。

 まさにカナダも、ボール保持時には3バック化して攻撃を組み立ててくる。最終テストとしては打ってつけの相手なのだ。守田が鋭く指摘する。

【次ページ】 終盤に試す“5バック”などを最初から試してもいいのでは

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