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大谷翔平、菅野智之、鈴木誠也、藤浪晋太郎…“10年前のドラフト”で成功した球団は?「10年一軍定着の難しさ」「スター流出後の苦悩」 

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西尾典文

西尾典文Norifumi Nishio

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posted2022/10/18 17:01

大谷翔平、菅野智之、鈴木誠也、藤浪晋太郎…“10年前のドラフト”で成功した球団は?「10年一軍定着の難しさ」「スター流出後の苦悩」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

日本ハムの栗山英樹監督らとの入団交渉に臨む大谷翔平(2012年)

 改めて振り返ってみると大谷の存在が際立っている年であることは間違いないが、その一方で目玉と見られていた藤波、菅野、東浜を獲得した3球団は軒並み順位が低く、抽選を外したDeNA、西武らが上位に来ているところを見ると、1人の獲得だけで大成功となるのは難しいと言えそうだ。

 また、現在も主力として活躍し続けている選手は非常に少なく、10年というスパンで見ると長く一軍の戦力として定着することがいかに大変かということもよく分かる。ある程度戦力になったとしても安心するのではなく、常に次世代のレギュラー候補を獲得し続ける必要があると言えるだろう。

大物を獲得した球団が直面する課題

 そしてもう一つ感じられるのが、成功の度合いが大きければ大きいほど、早期流出の可能性も高まるという点だ。

 得点的には日本ハムがトップとなっているが、大谷が在籍したのはわずか5年であり、メジャーに移籍した後のチームは低迷期に入っている。また同じく大成功した鈴木誠也も昨年オフに海を渡っており、その穴を埋めるのに苦労している。この2人がいなければ2016年の日本ハムの日本一、広島のセ・リーグ3連覇もなかった可能性が高いが、スターが在籍しているうちに次のスターをいかに作り出すかということも重要であることは間違いない。現在の12球団では、村上宗隆が三冠王となったヤクルトが、今後その課題に直面することになりそうだ。

 今年は目玉らしい目玉が不在だけに、より一層、2位以降の指名も重要になってくるはずだ。10年後に振り返った時、最も多くの戦力を生み出すことができる球団はどこになるのだろうか。入団時の評価ももちろん重要だが、その後の育成に注目していくこともドラフトの楽しみなのだろう。

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