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大谷翔平、菅野智之、鈴木誠也、藤浪晋太郎…“10年前のドラフト”で成功した球団は?「10年一軍定着の難しさ」「スター流出後の苦悩」
text by
西尾典文Norifumi Nishio
photograph byJIJI PRESS
posted2022/10/18 17:01
日本ハムの栗山英樹監督らとの入団交渉に臨む大谷翔平(2012年)
12球団でトップとなったのはメジャー志望を表明していた大谷を強行指名し、入団にこぎつけた日本ハムだ。
投手としては3年目の15年に最多勝、最優秀防御率、最高勝率に輝くなど5年間で3度の2桁勝利をマーク。15年オフに出場したプレミア12では先発投手部門のベストナインにも輝いている。一方の野手としてはメジャーでの活躍ほどではないが、4年目の16年には104安打、22本塁打を放ち、指名打者としてベストナインに輝いている。とても1人分では評価できない活躍のため、投手として5点、野手として3点をつけた。2位以下で大きな戦力となったのは3位の鍵谷だけだが、大谷1人が与えた影響はあまりにも大きく、合計点でトップとなっても全く違和感はない。
ここまでの例はなかなかあるものではないが、1人のスーパースターがチームにもたらすプラスがいかに大きいかということを改めて感じさせられる。ちなみに日本ハムは前年にも巨人入りを希望していた菅野を指名して入団拒否されているだけに、大谷の指名もかなりの勇気が必要だったはずだが、そのリスクに見合うだけのリターンを得た。
特筆すべき宮崎敏郎(DeNA6位)の存在
2位はDeNAの10点、3位は西武の9点となった。代表クラスの選手は出ていないものの、ともにチームに欠かせない選手を複数獲得できたことが大きい。特に見事だったのが、DeNAが6位指名した宮崎の存在だ。
守備と走塁に関してははっきりと目立つ選手ではなく、バッティングも独特のスタイルだっただけに評価していた球団は少なかったが、リーグでも屈指のヒットメーカーに成長している。一芸の選手というと守備や走塁をイメージすることが多いが、打撃の一芸選手も重要であることを認識させた選手と言えるだろう。