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「個人のパフォーマンスが重要だ」ベンゼマかマネか、基準が大きく変わったバロンドールの受賞者は?「だがモドリッチを忘れてはならない」 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byGetty Images

posted2022/10/15 17:03

「個人のパフォーマンスが重要だ」ベンゼマかマネか、基準が大きく変わったバロンドールの受賞者は?「だがモドリッチを忘れてはならない」<Number Web> photograph by Getty Images

ベンゼマ(右)とマネ(左)。フェレ編集長は明言を避けたが、バロンドールの有力な受賞候補者だ

――ネイマールが外れたのも同じでしょうか?

PF 彼はシーズンの半分もプレーしていない。バロンドールをめぐる戦いに参加するためには試合に出場する必要があるが、ネイマールはしばしば負傷して欠場を重ねた。バロンドールの候補者リストは、現時点での世界最高の30人を並べたリストではない。シーズンを通して活躍した30人のリストだ。たしかにネイマールは幾つかの試合で素晴らしかったが、バロンドールの候補者になるためには30~40試合に出場して高いレベルでの安定したパフォーマンスを示す必要がある。昨季のネイマールはそうではなかった。

13人が初ノミネートーー世代交代が進んだのか?

――今季は13人が初めてノミネートされました。これはバロンドールの規則が変わったからでしょうか、それとも世界サッカーで世代交代が進んだからなのでしょうか?

PF 規則変更の影響も多少はあるかもしれないが、世代交代の方がずっと大きいと思う。時代のなかでイニシアチブをとれなかった世代があった。ネイマールやエデン・アザール、ポール・ポグバらの世代だ。アントワン・グリーズマンも入るが、高いレベルにありながら不遇をかこった世代だ。

 さらにセルヒオ・アグエロなど、現役を終える世代もいる。つまりキャリアの最後となる世代や不運に見舞われた世代がいる一方で、台頭する新たな世代がある。ルイス・ディアスやダーウィン、アーリング・ハーランド、フィル・フォーデンらで、彼らは現在の状況を享受している。

 そうしたなか——すなわち30人に入るのがとても厳しい状況で、今回もリストに加わったのがクリスティアーノ・ロナウドだ。18年連続で彼は候補者リストに入った。ちょっと考えられないことだ。たぶんキリアン・ムバッペはすべての記録を更新したいと思っているだろうが、候補にあがったのはまだ5回だ。若いから可能性は無限ともいえるが、クリスティアーノ・ロナウドが18年連続で世界最高の30人に入ったのはまさに異例だ。だが同時に新たな世代の台頭もある。ムバッペもそうで、彼もまだ23歳でしかない。

――今季は4人のアフリカ人とひとりのアジア人が候補に入りました。サディオ・マネは本命のひとりでもあります。世界サッカーの地図・ヒエラルキーは変わりつつあると言えるのでしょうか?

PF もちろん世代的なことはあるが、多くのアフリカ人やアジア人、またいつの日か北米の選手も候補に挙がれば、本物の世界的なリストになる。アジアからも孫フンミン以外の候補者が現れ、アフリカから新たな受賞者が生まれる。これまでアフリカ人で受賞したのはジョージ・ウェア(1995年)だけだ。バロンドールはヨーロッパだけの表彰ではない。世界を対象にしたタイトルだ。

【次ページ】 今回の本命はベンゼマ、マネ…それとも?

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