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メッシがいないバロンドール「建前は排除して本音だけで選ぶ」67年目の最高選手投票が今年、大変革を断行する理由とは?
posted2022/10/15 17:02
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Getty Images
第66回バロンドール受賞者が10月17日に発表される。授賞セレモニーは3年連続でレキップTVでの生中継。投票結果の詳細は10月22日発売の『フランス・フットボール』誌(以下FF)で明らかにされる。
これまでとの違いは、今季FFがバロンドールの大改革を断行したことである。創設以来変わることのなかった表彰期間(カレンダー年から8月~翌年7月のシーズンへ)と選出基準の変更。さらには投票者も、180人(2021年)から100人へと絞り込まれた。
改革の意図はどこにあるのか。また発表が間近に迫った今季の投票の行方はどうなるのか。さらには候補者のひとりであるキリアン・ムバッペは、バロンドールにどんな思いを抱き何を望んでいるのか……。
FF誌パスカル・フェレ編集長に2度にわたり電話で話を聞いた。そのインタビューを3回にわけて掲載する。まずはその第1回から。(全3回の1回目/#2、#3へ続く)
以前から変えるべきだと議論していた
――FF誌はバロンドールの改革を行いました。FIFAとの合同表彰(2010~2015年、FIFAバロンドール)を止めてから7年。2007年のヨーロッパ最優秀選手賞から世界最優秀選手賞への移行以来の大改革です。
パスカル・フェレ(以下PF) その通りで、以前から変えた方がいいと議論していた。とりわけシーズンに関してはそうだった。ちょっと複雑で、これまではふたつの半シーズンにより構成されていた。ひとつが1月から5月。もうひとつが7~8月から11~12月だ。そのうえで今年はW杯が11~12月にある。
ふたつの異なるシーズンをひとつの年とするのは何かと不都合だ。バロンドールの期間もサッカーのシーズンに合わせるのがシンプルでわかりやすい。そこのところでの根本的な改革を行うのと同時に規則に関しても見直した。バロンドールは個人表彰だ。だから個人パフォーマンスを選考基準の第一に定めた。コレクティブなパフォーマンスは第二の基準だ。世界最高の選手は世界最高のチームの選手である必要はないということだ。
※註:これまでのアーティクル9《バロンドールは次の3つの主要基準にもとづき付与される。優先順位は以下の通り。1.個人およびコレクティブ(具体的にはチームタイトルの獲得)なパフォーマンス。2.選手のクラス(タレントとフェアプレー)、3.選手のキャリア》から、新たにアーティクル4《バロンドールは次の3つの主要基準にもとづき付与される。1.個人のパフォーマンスおよび決定的かつ印象的な痕跡、2.コレクティブなパフォーマンスおよびタイトル、3.選手のクラスとフェアプレー》へと改定された。