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Jをめぐる冒険BACK NUMBER
ドイツもスペインもコスタリカも日本のスタメンを読めない? 森保監督の「先発11人入れ替え」W杯想定だけではない“大きな意味”とは
posted2022/09/28 17:02
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Kiichi Matsumoto
過去の日本代表だけでなく、おそらく世界中のどの国も経験のないチャレンジに、森保ジャパンはカタールW杯で取り組もうとしている。
ターンオーバー、である。
いや、ただのターンオーバーなら珍しくはない。第2戦を終えた時点でグループステージ突破を決めた、あるいはほぼ確実としたチームが、第3戦でメンバーを大きく入れ替え、決勝トーナメントに備えてレギュラー組を休ませるのはよくある戦略だ。
実際、18年ロシアW杯の西野ジャパンも、ポーランドとの第3戦にスタメンを6人入れ替えて臨んでいる。
しかし、森保一監督が考えているのは、第2戦のコスタリカ戦でメンバーを大胆に入れ替えること――。
すべてはドイツ、スペインと同居するタフなグループステージを突破し、日本サッカー界がまだ見ぬベスト8へと到達するためだ。
試合前日、指揮官の力説と先発11人総入れ替え
ドイツ遠征の2戦目となるエクアドル戦の前日、森保監督は力説した。
「選手たちは普段から厳しい環境の中で、インテンシティの高い試合を経験しているが、ドイツ戦では、W杯初戦のプレッシャーや相手との力関係で、おそらく想像以上に大きなエネルギーを使うことになる。中3日では心身ともに回復できないくらいの戦いをしなければ、勝つことは難しい。
そう考えると、一部の選手でチーム力を積み上げるのではなく、2チーム分の戦力を維持して、疲弊した選手を入れ替える。もっと言うと、1試合ずつチームを入れ替えながら戦っていけるような準備をしないと、我々が目標とするところ、ベスト16の壁を破ってベスト8以上に行くのは難しい。
W杯過去6回の出場で届いていないところに行くには、同じことをやっていても到達できない。覚悟をもって準備する必要がある」
そう宣言したとおり、W杯まで残り2試合となるエクアドル戦に、日本は4日前のアメリカ戦から先発メンバーを総入れ替えして臨んだ。
結果は0-0。後半36分にサイドから中央に鋭いパスを入れられ、ペナルティエリア内で谷口彰悟が相手を倒してしまったが、GKシュミット・ダニエルがPKをセーブして引き分けに持ち込んだ。
堂安「W杯を想定しながら声をかけられた」
ほぼベストメンバーのエクアドルは、W杯南米予選でブラジル、アルゼンチンと引き分けたことからも分かるように、したたかで、老獪だった。前半はほぼ相手のペースで、このレベルのチームと試合を組めたことに感謝すべきゲームだった。
一方、後半は日本も互角以上の内容で応戦した。