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Jをめぐる冒険BACK NUMBER
ドイツもスペインもコスタリカも日本のスタメンを読めない? 森保監督の「先発11人入れ替え」W杯想定だけではない“大きな意味”とは
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/09/28 17:02
アメリカ戦からスタメン11人を一気に入れ替え。エクアドル戦はW杯への興味深い戦略テストとなった
後半22分に遠藤航、鎌田大地、相馬勇紀がピッチに入ると、ボランチの遠藤がビルドアップ時にディフェンスラインに落ち、相手と同じく3枚(谷口、伊藤洋輝のセンターバック+遠藤)で攻撃を組み立ててエクアドルのプレスを回避し、流れを手繰り寄せる。
後半38分には吉田麻也と伊東純也を投入。4-2-3-1から5-3-2に変更してサイドの守備を安定させるとともに、伊東を所属クラブのランスと同じ2トップの一角として起用するという新シフトを導入。終盤には、その伊東のパスから鎌田が持ち込んでシュートを放つなど、反撃してみせた。
「W杯を想定できるようないい相手で、前半はあまり良くなかったですけど、ハーフタイムもそんなネガティブではなくて。『本番でもこういう試合はあるよ』ってW杯を想定しながら声をかけられたし、チャンスもあった。かなりいい90分だったんじゃないかなと思います」
右サイドハーフとして先発した堂安律の言葉には、うなずけるものがあった。
もちろん、課題は少なくない。その一例は?
もちろん、課題も少なくない。分かりやすい例をひとつ挙げると、相手の3枚+ボランチ1枚によるビルドアップに後手を踏み、プレスが掛からなかったこと。これは19年アジアカップ決勝のカタール戦から続く問題で、チームとして整理する必要があるだろう。
デュッセルドルフにおけるアメリカ、エクアドルとの2連戦は、1勝1分けに終わった。
相手のレベルは異なるものの、W杯出場国と中3日での連戦は、カタールでの戦いを見据えたシミュレーションでもあった。アメリカ戦をW杯のグループステージ初戦と見立てれば、エクアドル戦が第2戦だったというわけだ。指揮官が総括する。
「もちろん対戦相手は違いますが、W杯に出場する力のあるチームに対して2試合とも無失点に抑え、勝ち点4を取れて第3戦に向かえるという部分でのシミュレーションとなった。内容面でも、どこから守備を始めるのか、どこでボールを奪うのか、奪った後はどうするのかというところも、厳しいゲームの中で選手たちは画を合わせてくれて、本大会につながる積み上げができたと思っています」
ターンオーバーが持つ“もう1つの大きな意味”
本大会第2戦となるコスタリカ戦でのターンオーバーをイメージした今回の総入れ替えについては「本大会での状況次第」と釘を刺したが、「2チーム分作る」というチャレンジは、もし成功すれば、日本がW杯を戦い抜くうえでの“勝利の方程式”となるかもしれない。これは、指揮官の頭の中にずいぶん前から存在していたアイデアのようだ。