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「村上宗隆スゴすぎで“村神様依存度”はアップ」「“勝利の方程式と適材適所”な高津采配」ヤクルト連覇要因を昨季成績と比較

posted2022/09/27 11:03

 
「村上宗隆スゴすぎで“村神様依存度”はアップ」「“勝利の方程式と適材適所”な高津采配」ヤクルト連覇要因を昨季成績と比較<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

球団としては野村克也監督体制以来となるセ連覇。高津臣吾監督率いるスワローズはまさに黄金期を迎えている

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Hideki Sugiyama

「ようやく」という感想を持ったのは筆者だけだろうか?

 ヤクルトがセ・リーグでの連覇を果たした。7月にはマジックが一時点灯するなど圧倒的な強さだっただけに、シーズン最終盤まで胴上げができなかったのは意外でさえあった。

実は現時点で、去年よりも勝率が低い

 昨年と今年(※優勝を決めた9月25日時点)のデータを比較しよう。まずはトータルでの成績。

<2021年>
143試73勝52敗18分 率.584【625得531失】0.0差
打率.254 本144 盗70 防率3.48(先3.63/救3.25)44S 149H

<2022年>
137試77勝57敗3分 率.575【596得550失】7.0差
打率.251 本166 盗69 防率3.56(先3.86/救3.11)40S 118H

 実は、今季の方が勝率は低い。また得失点差は2021年が94もあったが今季は46と半減。しかし昨年は阪神とゲーム差なしだったが、今年はDeNAと7.0差。早々に2位以下とゲーム差が開いたために、ペナントレースとしては今年の方が楽だったことになる。

 今季は本塁打、盗塁ともに増加しているが、チーム防御率は低下している。月ごとの順位を見ると、今年と昨年のペナントレースの大きな違いが見えてくる。

<2021年>
3、4月28試14勝10敗4分 率.583(3位/阪神-3.5差)
5月49試23勝19敗7分 率.548(3位/阪神-6.0差)
6月72試35勝29敗8分 率.547(3位/阪神-6.0差)
7月83試42勝32敗9分 率.568(2位/阪神-2.5差)
8月94試47勝36敗11分 率.566(3位/巨人-1.5差)
9月120試60勝44敗16分 率.577(1位/阪神1.0差)
10、11月143試73勝52敗18分 率.584(1位/阪神0.0差)

<2022年>
3,4月27試15勝12敗0分 率.556(2位/巨人-3.0差)
5月51試31勝19敗1分 率.620(1位/巨人3.0差)
6月74試50勝23敗1分 率.685(1位/巨人12.5差)
7月94試57勝36敗1分 率.613(1位/阪神10.0差)
8月118試69勝47敗2分 率.595(1位/DeNA6.5差)
9月137試77勝57敗3分 率.575(1位/DeNA7.0差)

 2021年は阪神がまず抜け出し、8月まで巨人とヤクルトが追いかける展開だったが、9月に入って巨人が脱落し、阪神との競り合いとなった。このマッチレースに勝って141試合目になる10月26日に優勝が決まった。昨年は東京五輪のために1カ月ペナントレースが中断した。巨人は再開後に失速した一方で、ヤクルトは以後も調子を落とさずにペナントを獲得した。

 2022年は4月末時点で巨人と首位争いをしていた。5月から抜け出し交流戦も14勝4敗と圧勝し、6月末では2位巨人に12.5差をつける。7月2日にはマジック53が点灯したが、その後主力陣にコロナ感染が拡大して失速。7月は7勝13敗と負け越したが、潤沢な貯金があったので、2位に浮上したDeNAに迫られることなく6試合を残して優勝した。

打者成績を比較すると、やはり村上が“神レベル”

 ここからは個別の選手成績を比較しよう、まずは打線から。

【次ページ】 先発・救援投手の成績を比べてみる

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東京ヤクルトスワローズ
村上宗隆
高津臣吾
清水昇
塩見泰隆
青木宣親
山田哲人
中村悠平
元山飛優
山崎晃大朗
荒木貴裕
渡邉大樹
西浦直亨
川端慎吾
長岡秀樹
濱田太貴
内山壮真
丸山和郁
宮本丈
石川雅規
奥川恭伸
高梨裕稔
田口麗斗
小川泰弘
今野龍太
大西広樹
石山泰稚
大下佑馬
坂本光士郎
高橋奎二
小澤怜史
原樹理
木澤尚文
梅野雄吾

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