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「前田健太は終わってしまうのか」メジャー10年目で近づく栄誉「現役最後は日本で?」“正念場”右腕が胸に秘める決意「結果を出すしか…」
posted2025/04/04 06:00

正念場のメジャー10年目を迎えた前田健太
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山田結軌Yuki Yamada
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Getty Images
開幕の先発ローテーションからは外れた。リリーフとして今季初登板した3月29日のドジャース戦(ロサンゼルス)では2回2失点。36歳、前田健太の苦悩が続いている。
被弾、伸びない球速…それでも
大谷翔平との対戦でも話題を集めたその登板では、3-5の7回から3番手でマウンドへ上がり先頭打者のトミー・エドマンに、初球のスイーパーを右中間スタンドに運ばれた。直球の最速は90.4マイル(145.5km)止まり。先発復帰を目指し、所属するタイガースの投手陣の中で、重要度の高い役割を勝ち取らなければいけない立場の幸先としては、決して首脳陣の評価を高めるような結果と内容ではなかった。
前田健太は、終わってしまうのか。
力は衰えたのか――。
開幕3連敗を喫した試合後、ドジャースタジアムのビジター側クラブハウス。前田は次の遠征地、シアトルへの荷づくりをしながら、自らに言い聞かせるように落ち着いた口調で語った。
「結果を出すしかない。先発に戻れればベストですけど、そういうふうに考えながら投げるより、任された場所で結果を出すしかない。いいパフォーマンスを見せるしかない」
苦しんだメジャー9年目
たった1試合の投球内容で“マエケンの力は落ちた”などと論じるつもりはない。ただ、世間のそんな声は本人にも届く。
メジャー9年目だった昨シーズンは、野球人生で一番苦しんだ。29試合(先発17試合)で3勝7敗、防御率6.09だった。112回1/3を投げ、96奪三振。三振数がイニング数を超えなかったのは、メジャーキャリアで初めてのことだ。ベテランの先発投手としての役割を期待され、2年2400万ドル(約36億円)で加入したタイガースでの1年目。7月中旬からはローテーションを外れ、中継ぎに配置転換された。