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本郷理華25歳が明かす、五輪落選から“空白の1年半”…宝石店バイトで気づいた「スケートじゃなくても頑張ったら生きていける」 

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荘司結有

荘司結有Yu Shoji

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2022/07/23 11:03

本郷理華25歳が明かす、五輪落選から“空白の1年半”…宝石店バイトで気づいた「スケートじゃなくても頑張ったら生きていける」<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

昨年6月に現役引退を発表、今年1月に引退セレモニーが開かれたフィギュアスケーターの本郷理華さん。現役時代のすべてを振り返るロングインタビューです

本郷 普通にネットの求人から自分で探しましたよ。ジュエリーショップなのは特に理由はなくて、時給で選びました(笑)。履歴書を書くのも初めてだったんですが、一般的にはなんて書けばいいのか分からなくて……結局「まいっか」ってスケートについては一切触れませんでした。

 面接はバイトのつもりで行ったら、派遣社員に近いような感じでした。週5で一日8時間勤務とか。「あれ? 結構働くじゃん」って(笑)。

――ジュエリーショップというのは百貨店に入っているようなところですか?

本郷 名古屋の4℃(ヨンドシー)です。ネットで色々調べてメーカーは書いていなかったけれど「ジュエリーショップの接客です」って。でも私、すごい人見知りなんですよね。

――それは意外です。あえて接客業を選んだのはなにか理由があるんですか?

本郷 人見知りを直すきっかけにもなるかなと思いました。面接のときに「人見知りしませんか?」と聞かれたけど「ないです」ってきっぱり。大嘘ついて受かりました(笑)。

お客さん仰天「えっ本郷さんって、あのスケートの?」

――職場では「えっ? あの本郷理華さん!?」ってびっくりされませんでしたか?

本郷 面接のときは気づかれなかったけど、働き始めてから先輩たちに「スケートやってたよね? なんでここにいるの?」とは聞かれましたね。「いや~ちょっといまスケートやめてまして~」って軽く返しましたけど(笑)。

――店頭でもさすがに目立ちそうですが……。

本郷 名札に「本郷」って書いてあるから「えっ本郷さんって、あのスケートの?」と驚かれることはありました。たまに購入してくれたお客さんと一緒に写真撮ってましたよ。

 ただ中には「どこかで見たことある顔だね」とかはっきり言われないこともあって。自分から言うのは恥ずかしいから「よくいるんじゃないですか? こういう顔」とか言ってごまかしてました(笑)。

――実際にジュエリーショップで働いてみて、人見知りは直りましたか?

本郷 私は買い物中に話しかけられると困っちゃうタイプなんです。だから「ここで話しかけていいのかな」と躊躇していると、先輩にパッと背中を押されて。「なにかあったらお出しできるのでお声がけくださいね」って頑張って話しかけていました。

――本郷さんはどんな業務を主に担当されていたんでしょうか。

本郷 まずはネックレスやブレスレットから始まりました。指輪はサイズを測るから少し慣れてからじゃないとダメなんです。2カ月くらい経つとOKが出て、先輩の指でサイズを測る練習をしていました。ブライダルリングはもっと経験を積まないとダメみたい(笑)。

――休養と言いつつかなり忙しくされていたんですね。

本郷 9月から半年間働いていましたが、5カ月間はフルで働いて、残り1カ月は職場と相談して、スケートをやりつつ週2、3回だけ入っていました。仙台に帰ったときは野球を見たり、サクランボ狩りに行ったり。今までやりたくてもできなかったことを満喫していましたね。

気づいた「スケートじゃなくても頑張ったら生きていける」

――スケートから離れたことで、何か向き合い方も変わりましたか?

【次ページ】 復帰と引退の決断「北京五輪にはどれだけ頑張っても…」

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