フィギュアスケートPRESSBACK NUMBER
本郷理華25歳が明かす、五輪落選から“空白の1年半”…宝石店バイトで気づいた「スケートじゃなくても頑張ったら生きていける」
text by
![荘司結有](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
荘司結有Yu Shoji
photograph byShigeki Yamamoto
posted2022/07/23 11:03
![本郷理華25歳が明かす、五輪落選から“空白の1年半”…宝石店バイトで気づいた「スケートじゃなくても頑張ったら生きていける」<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/3/0/700/img_304293c4256f2190fe4150b62e9869e8151733.jpg)
昨年6月に現役引退を発表、今年1月に引退セレモニーが開かれたフィギュアスケーターの本郷理華さん。現役時代のすべてを振り返るロングインタビューです
本郷 普通にネットの求人から自分で探しましたよ。ジュエリーショップなのは特に理由はなくて、時給で選びました(笑)。履歴書を書くのも初めてだったんですが、一般的にはなんて書けばいいのか分からなくて……結局「まいっか」ってスケートについては一切触れませんでした。
面接はバイトのつもりで行ったら、派遣社員に近いような感じでした。週5で一日8時間勤務とか。「あれ? 結構働くじゃん」って(笑)。
――ジュエリーショップというのは百貨店に入っているようなところですか?
ADVERTISEMENT
本郷 名古屋の4℃(ヨンドシー)です。ネットで色々調べてメーカーは書いていなかったけれど「ジュエリーショップの接客です」って。でも私、すごい人見知りなんですよね。
――それは意外です。あえて接客業を選んだのはなにか理由があるんですか?
本郷 人見知りを直すきっかけにもなるかなと思いました。面接のときに「人見知りしませんか?」と聞かれたけど「ないです」ってきっぱり。大嘘ついて受かりました(笑)。
お客さん仰天「えっ本郷さんって、あのスケートの?」
――職場では「えっ? あの本郷理華さん!?」ってびっくりされませんでしたか?
本郷 面接のときは気づかれなかったけど、働き始めてから先輩たちに「スケートやってたよね? なんでここにいるの?」とは聞かれましたね。「いや~ちょっといまスケートやめてまして~」って軽く返しましたけど(笑)。
――店頭でもさすがに目立ちそうですが……。
本郷 名札に「本郷」って書いてあるから「えっ本郷さんって、あのスケートの?」と驚かれることはありました。たまに購入してくれたお客さんと一緒に写真撮ってましたよ。
ただ中には「どこかで見たことある顔だね」とかはっきり言われないこともあって。自分から言うのは恥ずかしいから「よくいるんじゃないですか? こういう顔」とか言ってごまかしてました(笑)。
――実際にジュエリーショップで働いてみて、人見知りは直りましたか?
本郷 私は買い物中に話しかけられると困っちゃうタイプなんです。だから「ここで話しかけていいのかな」と躊躇していると、先輩にパッと背中を押されて。「なにかあったらお出しできるのでお声がけくださいね」って頑張って話しかけていました。
――本郷さんはどんな業務を主に担当されていたんでしょうか。
本郷 まずはネックレスやブレスレットから始まりました。指輪はサイズを測るから少し慣れてからじゃないとダメなんです。2カ月くらい経つとOKが出て、先輩の指でサイズを測る練習をしていました。ブライダルリングはもっと経験を積まないとダメみたい(笑)。
――休養と言いつつかなり忙しくされていたんですね。
本郷 9月から半年間働いていましたが、5カ月間はフルで働いて、残り1カ月は職場と相談して、スケートをやりつつ週2、3回だけ入っていました。仙台に帰ったときは野球を見たり、サクランボ狩りに行ったり。今までやりたくてもできなかったことを満喫していましたね。
気づいた「スケートじゃなくても頑張ったら生きていける」
――スケートから離れたことで、何か向き合い方も変わりましたか?