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《センバツ》 聖隷クリストファー落選は「もしかしたら…と」 東海地区の甲子園出場経験監督が一刀両断した“2つの疑問”とは 

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間淳

間淳Jun Aida

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posted2022/02/02 17:10

《センバツ》 聖隷クリストファー落選は「もしかしたら…と」 東海地区の甲子園出場経験監督が一刀両断した“2つの疑問”とは<Number Web> photograph by Kyodo News

取材に対応した聖隷クリストファーの上村監督。球児たちの気持ちを思うと……。

疑問を呈した“もう1つの理由”とは

 もう1つ、選考理由で疑問を呈したのは「個人の力量に勝る大垣日大」という説明だ。

 大垣日大より聖隷クリストファーの方が上と反論するのではなく、どちらのチームが個人の技術で勝っているのかを比較する時点で「高校野球の在り方を否定している」と強調する。

「野球は個人スポーツではありません。特に、学生スポーツはレギュラーを外れた部員やメンバーから外れた部員、マネージャーや学生コーチらの裏方と一丸になって勝利を目指すことに意義があります。個人の力量で勝るチームが優位とするのは、高校野球の在り方を否定しています」

 聖隷クリストファーの上村敏正監督は「間違いなく選ばれると思っていました。私は大人なので現実を受け止められますが、子どもたちは受け入れられるのか心配です」と選手の気持ちを思い量った。

 センバツは夏の甲子園と違って「選抜」である以上、選考委員の基準で出場校が決まる。だが、少なくとも「その視点、考え方なら仕方ない」と周囲が納得する理由がなければ、涙を呑んだ球児が報われない。

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