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視聴率43%で紅白超え…格闘技バブルの象徴「サップvs曙」を撮らなかったリングサイドカメラマンが“大晦日の名勝負”を振り返る 

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長尾迪

長尾迪Susumu Nagao

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photograph byRIZIN FF Susumu Nagao

posted2021/12/31 11:04

視聴率43%で紅白超え…格闘技バブルの象徴「サップvs曙」を撮らなかったリングサイドカメラマンが“大晦日の名勝負”を振り返る<Number Web> photograph by RIZIN FF Susumu Nagao

2015年のRIZIN旗揚げ興行で、12年ぶりに再戦した曙とボブ・サップ。筆者は12年前の大晦日、同日に開催された『PRIDE 男祭り 2003』を撮影していた

 2011年にはDREAMとアントニオ猪木がタッグを組み『元気ですか!! 大晦日!! 2011』を開催した。藤井惠が女子選手として初めて出場し、1ラウンドで見事な一本勝ち。今では当たり前のように大晦日の大会で女子の試合が組まれるようになったが、このころは珍しかった。後にRIZINの解説席でその姿をたびたび目にすることになる藤井は女子格闘技のアイコンであり、まさに先駆者だった。

PRIDEのテーマ曲に涙したRIZINの旗揚げ興行

 2012年は『DREAM.18 & GLORY 4』の2部構成になった。GLORYはヨーロッパを中心としたキックボクシング団体だ。この日は前半にDREAMがMMAの試合を8試合行った。後半のGLORYのときには、かなりの観客が帰路に着いてしまった。

 2013年、2001年から続いたさいたまスーパーアリーナでの興行はなく、両国国技館で『猪木祭り2013』を開催した。最後はアントニオ猪木による「1・2・3、ダー!」で、大会が終了。

 2014年の大晦日、闘いの舞台はふたたび、さいたまスーパーアリーナへと戻ってきた。格闘技団体DEEPが『DEEP DREAM IMPACT』として開催した。同団体の佐伯繁代表は「赤字になっても、日本の格闘技の灯を消すわけにはいかない」という不退転の覚悟で大会を行った。佐伯の漢気に、大晦日の格闘技の歴史は救われたといえよう。

 2015年、PRIDE元代表の榊原信行が新団体RIZINを立ち上げ、12月29日と大晦日の2日間にわたるイベントとなり、地上波での放送も決定した。

 29日は『SARABAの宴』として、PRIDEへのオマージュと決別として開催された。オープニングでは、PRIDEのテーマ曲が流れた。さいたまスーパーアリーナでこの曲を聴くことは二度とないだろうと思っていたこともあり、私の中で一気に感情が高まった。色々なことを思い出し、涙を流しながらシャッターを切った。

 31日は『IZAの舞』として、RIZINの今後の方向性を示す大会だった。第1試合をシュートボクサーのRENAに託した。彼女は打撃を得意としている選手だが、飛びつき腕十字という関節技の中でも難易度の高い大技でギブアップ勝ちしてイベントに勢いをつけた。また、ヘビー級のトーナメントも開催。ぱっと見は無名の選手ばかりだったが、そこには勝負論を重視したマッチメイクがあった。その一方で、12年前に43.0%の視聴率を取ったサップvs曙の再戦など、テレビの視聴者を意識した試合も行われた。結果的に盛り沢山の内容で、RIZINの旗揚げ戦は大きな成功を収めた。<後編へ続く>

#2に続く
「メイウェザーが本気になった…」“大晦日の格闘技を撮り続けて20年”名物フォトグラファーが語る「リングの空気が変わった瞬間」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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