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フランス・フットボール通信BACK NUMBER
「頼むから足を切ってくれ」EUROでもCLでも怪我に泣いたデブライネが、それでもストレスゼロで戦い続けられる理由
posted2021/12/07 17:03
text by
フランス・フットボール誌France Football
photograph by
L’Équipe
ケビン・デブライネインタビューの後編である。
話題は自身のプレーやサッカー観から、ともに負傷を負って最後まで活躍できなかったチェルシーとのチャンピオンズリーグ(CL)決勝や準々決勝でイタリアに敗れたEUROへと移っていく。たしかに彼も認めるように、どちらも怪我なく最後までプレーし続けていたら、結果も異なっていたかも知れないし、バロンドールの投票にも影響していただろうと思う。だが、デブライネは、悔しさよりも現実を淡々と受け止めている。そこに彼の人間性がよく表れている。(全2回の2回目/#1から続く・肩書などは『フランス・フットボール』誌掲載当時のままです)
(田村修一)
30歳のコンディショニング術
――今は試合中にも回復に努める時間帯がありますか?
「若いころは90分間走り回りすべて同じリズムでプレーしていた。だが、歳をとるにつれコントロールする術を覚える。3対0とリードしたらペースを少し下げる。それが好まれないのもよくわかる。観客は僕らに休むことなく攻撃し続けることを望む。でも3日後にCLの大事な試合が控えていることもあるんだ」
――試合が多すぎるのでしょうか?
「去年は5月までずっと週2試合のペースだった。移動も含めると相当な負荷だ。でも週に2勝あげることを受け入れて、それに慣れるときが来る。たしかに厳しいけれど、僕にとっては週末だけ試合があるよりも3日おきにプレーを続ける方がいい。おかしな話だけどね。この4年というもの、僕には《頼むからウィークデーの試合には出さないでくれ》と言うこともできたわけだから(笑)」
――あなたは笑っていますがとてもシリアスな問題です。
「夏にしっかり休みが取れて、プレシーズンに十分な準備ができれば何の支障もない。問題は今やそれができないことだ。最善を尽くそうと常に努めているけど、しばしばそこがうまくいかない。気楽な商売だと思っている人もいるけど、常にフィジカルとメンタル両面で限界に達していることはもっと考えてもいい」
――そうした問題を克服する手助けをしてくれるグループに所属していると思いますか?
「その通りで、僕らのグループは協調性があり、尊大な性格の選手はいない。とても大事なことで、それぞれの個性が強すぎると問題が起こりやすい。もちろん誰もベンチを温めたくはないが、誰もがシティのために最善を尽くそうとしている」