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フランス・フットボール通信BACK NUMBER
「頼むから足を切ってくれ」EUROでもCLでも怪我に泣いたデブライネが、それでもストレスゼロで戦い続けられる理由
text by
フランス・フットボール誌France Football
photograph byL’Équipe
posted2021/12/07 17:03
ベルギー代表でも司令塔として活躍。EURO2020では決勝トーナメント進出に貢献した(準々決勝でイタリアに敗退)
――どんな点でそれがピッチの上をより円滑にしますか?
「僕にわかるのは、ペップ・グアルディオラ以外ではこうはらないということだ。ある監督たちのもとでは自分の限界を見極められない。我慢しなければならないからだ。ペップとならば誰もがわかりあえる。またクラブが実践している方法論もある」
――説明してください。
「スカウト網が探し求めるのは最高の選手だが、彼らの私生活や人間関係、コミュニケーションなども考慮される。どうすれば優れたグループを形成できるかを彼らはわかっている。例えばそれがパリ・サンジェルマン(PSG)とのちょっとした違いだ。別の哲学と言っていい。別にPSGが劣っていると言いたいんじゃない。両者の違いを話しているだけだ。ただ、僕らはシティにいることができてとても幸運だと思っている」
――プレーとあなたの脚に話を戻しますが、最も警戒することは何ですか。相手のプレスでしょうか、それとももっと別のことですか?
「よくわからないな。試合が始まってしまえば、僕は精いっぱい走るししっかり守備もする。それが僕の確固としたベースで、あなたが今言ったようなことから自分を守ってもいる。もしいいプレーができなくとも、全力を出し尽くせば問題はない。僕の出来がよくなくともチームが勝てばいい。わかるだろうか。僕は自分がどのレベルにあるかは関心がない。求めているのは勝利だけだ」
ストレスフリーのゲームメイカー
――あなたは変わりましたね……。
「18歳のときは、いいプレーをして勝ちたかった。それが若者の心情だ。だが僕の年齢になるとまず勝利を望む。自分のプレーが良かったかどうかはその次だ。若いころはスタメンの11人に入れるか、自分の将来がどうなるかが大きな関心事だ。今の僕は、これから先の人生もサッカーとともにあることを分かっている」
――今はまったくストレスを感じていないのではないですか。ずっと以前からシティではスタッフが試合前にストレスを測定するテストをおこなっていますが、あなたは完全にリラックスしているという結果が出ています。
「その通りなんだ。もうテストは止めてしまったけど、僕に関しては何の心配もいらなかった」
――そうしたストレスの欠如が、トップギアで試合に入ることを可能にするのでしょうか。スタートした瞬間にいきなりパスを通そうとしたり、シュートを打って相手ディフェンスと試そうとするシーンがよく見られます。