- #1
- #2
フランス・フットボール通信BACK NUMBER
「頼むから足を切ってくれ」EUROでもCLでも怪我に泣いたデブライネが、それでもストレスゼロで戦い続けられる理由
text by
フランス・フットボール誌France Football
photograph byL’Équipe
posted2021/12/07 17:03
ベルギー代表でも司令塔として活躍。EURO2020では決勝トーナメント進出に貢献した(準々決勝でイタリアに敗退)
「あまりそのことは考えないようにしている。もしも僕がCL決勝で負傷することなく、素晴らしいパフォーマンスで試合にも勝っていたら……。すべてはプレーできなかった30分間で決まったというのか? シーズンに70試合もフル出場しているのに。だが何ごともそんな風にして決まっていく。誰もがどの選手に票を入れるかそれぞれの理由を持っている。僕にできることと言えば、今の自分のレベルを維持していくことだけだ。自分に投票権がなくてホッとしているよ。メルシー(笑)」
――それでは現在の選手のヒエラルキーのなかで、あなたはどの位置に入るのでしょうか。トップ10ですか、それともトップ5かトップ3でしょうか?
「このところずっと調子がいい。トップ5と言えるだろうか……。たぶんトップ5だろう。CLで優勝していたら、誰もが僕をトップ5に入れただろう」
僕は自分自身に満足している
――リストのトップに来ることはありませんか……。
「わからない。僕はプレミアリーグでもCLでも悪くなかった。EUROも出場時間は短いが出来は良かった。そんな選手には多少なりともチャンスはあるだろう。
いずれにせよこの数年間の自分のプレーには満足している。2014年にヴォルフスブルクに加入して以降、僕は落ち込むことなくそれなりのレベルをずっと維持している。その点は満足だ」
――数字は情け容赦ないランクづけをします。あなたが期待されるのも、あなたの残した数字に価値があるからで、最新の契約もそれをもとに結ばれました。
「弁護士と父が交渉に関わっている。数字を引き合いに出すのは他の選手との比較ができるからだ。しかしそれは同時に僕の引退後のキャリアにおいても意味がある。さらに言えば、感情がベースになっているサッカーの世界で、合理性に依拠するのも悪いことではない。数字を示すことで何かを証明したいわけでもないし、クラブに圧力をかけるつもりもない。僕は自分自身にずっと以前から満足しているし、自分が恵まれているとも感じている」