- #1
- #2
フランス・フットボール通信BACK NUMBER
「頼むから足を切ってくれ」EUROでもCLでも怪我に泣いたデブライネが、それでもストレスゼロで戦い続けられる理由
text by
フランス・フットボール誌France Football
photograph byL’Équipe
posted2021/12/07 17:03
ベルギー代表でも司令塔として活躍。EURO2020では決勝トーナメント進出に貢献した(準々決勝でイタリアに敗退)
「多少はね。でも同時にチャンスがどのぐらいあるかを考えた。シティのマッサーには、イタリア戦で90分間自分のプレーができたかどうかわからないと言った。怪我がさらに悪化する可能性もあった。出場するのが人生で最良の選択かどうかもわからない。でもチームメイトたちを見捨てるわけにはいかなかった」
――素早く気持ちを切り替られる能力は、誰にでもあるわけではありません。
「バカンスをどう過ごせばいいのか。ずっと泣き続けていなければならないのか。家族との時間を大事にして、これから起こることを真摯に受け止めねばならないと思った。
チェルシー戦で最後までピッチに残っていたら、その後の展開は違っていたかも知れない。僕の出来は最高ではなかった。でも相手の穴を見つけることが出来ていたかもしれない。EUROも同じだ。同じようなタックルを受けて怒りに震えた。絶対にレッドカードだった(パリーニャもCL決勝のリュディガー同様に警告のみに留まった)。ただ、ああいった行為のあとで負傷退場したのは僕が初めてじゃない。僕には僕の信条がある」
ベルギー代表に感じる誇り
――将来のリベンジを考えていますか?
「誰もがタイトルのことを言うけど、獲るのは簡単じゃない。ベルギー代表に関しては、これまで僕らが成し遂げてきたことに誇りを感じている。ベルギーは小国でまだひとつもタイトルは獲っていないけど、それに近いところまではいった。僕らがどこと戦ったかを思い出せばいい。あなた方のチーム(フランス)はどうだったか。世界で最も優れたタレント集団のひとつだ。イングランドやイタリア、スペインもそうだ」
――それはバロンドールをめぐる争いでは不利に働きませんか?
「(しばし考えて)どれほど多くの偉大な選手がワールドカップやEUROに優勝したか。CLを獲っていたら影響はあっただろう。だがいい。シティで過去4年間を過ごしたのと同じシーズンを送ることができたら、僕はとても幸福だ。僕らは過去4シーズンで3度リーグ優勝を果たした。他のタイトルもこれから獲りにいく。それがどうなるかは……」
――バロンドールには近いと思いますか。それとも遠いですか?(註:デブライネはリオネル・メッシ、ロベルト・レバンドフスキ、ジョルジーニョ、カリム・ベンゼマ、エンゴロ・カンテ、クリスティアーノ・ロナウド、モハメド・サラーに次ぐ第8位にランクイン)