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《東京五輪金メダル監督》がなぜ日本のVリーグに? 眞鍋新代表監督もお手本にする知将ロラン・ティリのバレーボールとは
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNoriko Yonemushi
posted2021/11/13 06:01
パナソニックパンサーズを率いて2年目を迎えたロラン・ティリ監督。寝られなくなるほど、バレーボールのことを考え込む毎日だという
「宣伝に関しては、Vリーグはもっとする必要があると思います。そのためにも、もっとプレーオフを充実させたほうがいい。例えばヨーロッパのリーグやNBAはプレーオフが長い。トップレベルが競うプレーオフはより白熱し、ストーリーもできる。話題性があるからメディアもたくさん来て、盛んに報じられる。それは非常に大事なこと。Vリーグのプレーオフは短すぎると感じます」
まさにその通りだ。以前のV1男子は、レギュラーラウンドの上位6チームがファイナルステージに進む方式だったが、昨季からは、レギュラーラウンドが4回戦総当りの36試合あるのに対し、ファイナルステージには上位3チームだけが進出し、昨季はわずか2日間、今季も3日間だけで優勝チームが決まる。もっとも盛り上がるはずのプレーオフがあっという間に終わってしまうのだ。集まる記者の数もレギュラーラウンドとファイナルステージではまったく違う。
「非常にもったいないと思う。プレーオフを長く行い、もっと宣伝すれば、ファンが多くなると思うし、さらに熱い試合ができるのではないでしょうか」とティリ監督は提言する。
世界トップレベルの外国人選手や監督も参戦し、リーグのレベルが上がっているからこそ、その頂点を争うプレーオフを、観る側としてはもっと長く堪能したいし、バレー人気にもつなげるべきだ。金メダル監督の経験やアイデアを、コート内だけでなく、コート外でも活かして欲しい。これは日本バレーボール界にとって大きなチャンスなのだから。