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中断期間、打率5割の野間に左翼定着を狙う中村奨…カープ再建の鍵は次世代の主力がもたらす勝利にあり
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前原淳Jun Maehara
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posted2021/08/12 11:02
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2014年のドラフト1位で入団した野間だが、過去6シーズンは怪我があったり不調があったりと、ルーキーイヤー以上のインパクトを残せていない
侍ジャパンの4番として金メダルを獲得した鈴木誠也はシーズン前「優勝するための段階はある。優勝は最終目標ですが、そうなるために今年はまずAクラスに入らないといけない」と足元を見つめたコメントを口にしていた。
勝つことで得る経験値や学びは、負けて得るそれとは大きく異なる。25年ぶりの優勝を遂げた16年の前年、15年の後半戦は31勝29敗と勝ち越した(シーズン戦績は69勝71敗3分け)。勝つことで成長することは、3連覇中に身をもって感じたはずだ。
後半戦に向け、勝つための準備をエキシビションマッチで行ってきた。調整期間終盤にケビン・クロンを2軍から招集したものの、計9試合は現有戦力の調整に重きを置いた。
覚醒が待たれる次世代の主力たち
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過渡期にあるチームの中でも、チームの骨格を担う選手は欠かせない。その筆頭が野間峻祥だといえる。広島のエキシビションマッチ全9試合のうち1番で7試合スタメン出場。途中出場を含めた全打撃成績は26打数13安打、打率5割という好成績を残した。「1番が打てば、チームに勢いが付く。相手に嫌がられるような存在になっていかないといけない」。切り込み隊長としての自覚も芽生え、6四球と打席内での粘りも見られた。
若手外野手が多くいる中でも、中堅手としての打球反応、守備範囲の広さはチーム内でもトップクラス。18年には規定打席で3割近い打率を残した実績もある。次代の主力と期待されるだけに、首脳陣も独り立ちを願っていることだろう。侍戦士が帰ってきても、後半戦初戦のトップバッターは野間で間違いない。
今季の広島のオーダーを見ると、左右のバランスが悪い。負傷選手や不調選手が出た影響もあるが、右打者が少ない。そういったチーム状況もあってか、エキシビションマッチ期間、中村奨成は本職の捕手よりも左翼としての経験を積む時間に費やした。