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ヤクルト前身球団の“消えた野球場”…JR三鷹駅にあった国鉄スワローズの「幻の巨大スタジアム」、今は何がある?

posted2021/06/13 11:02

 
ヤクルト前身球団の“消えた野球場”…JR三鷹駅にあった国鉄スワローズの「幻の巨大スタジアム」、今は何がある?<Number Web> photograph by KYODO

1950年に球団が創立された「国鉄スワローズ」。その巨大スタジアムは三鷹駅にあった

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鼠入昌史

鼠入昌史Masashi Soiri

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KYODO

 今回やってきたのは、中央線の三鷹駅である。

 三鷹駅、何を思い浮かべるだろうか。中央線ユーザーであれば、中央特快と快速が待ち合わせる駅、というイメージが強い。あとは総武線各駅停車の終点、といったところか。駅の外に出てみると、北口が武蔵野市、南口が三鷹市と分かれているから、少し前、時短営業の“境目”でも話題になった。駅の西にある跨線橋は太宰治も歩いたことがあるとかで有名だが、老朽化によって取り壊し云々と騒がれている。

スワローズの“消えた野球場”

 ……と、スポーツなどとはまったく関係のなさそうな三鷹駅である。駅の周りを少し歩いてみても、東京郊外の駅っぽい商店街があるくらい。いったい、三鷹に何があるのだろうか。

 ここで早々に答えを明かしてしまうと、三鷹駅から少し北に離れたところにかつてプロ野球の試合が行われた野球場があった。使っていたのは主に国鉄スワローズ。さらに野球場どころか、三鷹駅の先で中央線から分かれて球場の目の前まで運転される鉄道路線までもうけられていたのだ。さすが天下の国鉄のプロ球団、球場に線路まで引っ張ってしまったのである。

 もちろん、誰もが知っているように今は国鉄スワローズは東京ヤクルトスワローズになって、三鷹にプロ野球の球場などはない。その球場への鉄道路線なんてとうぜんとうの昔に消え失せている。ならば、その跡地はどのようになっているのか。三鷹駅から歩いてみようと思う。

野球場への“廃線”を歩く

 どうせ野球場の跡地に行くならば、そこに通じていた線路の跡を歩くのがいいだろう。そういうわけで、まずは廃線跡を探してみることにする。

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