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ブンデスのデュエル王・遠藤航は「日本のメッシで静かなリーダー」? 絶対的な信頼を得た理由<市場価値400%アップ> 

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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posted2021/05/24 11:01

ブンデスのデュエル王・遠藤航は「日本のメッシで静かなリーダー」? 絶対的な信頼を得た理由<市場価値400%アップ><Number Web> photograph by Getty Images

今季のブンデスでデュエル勝利数No.1となった遠藤航。充実の時を迎えている

「キャプテンとしてプレーできたことも誇り」

「最初はなかなか試合に出られなくて難しかったけど、今はこのクラブでブンデスリーガをプレーすることができて本当に幸せです。それに何度かキャプテンとしてプレーできたことも誇りに思っています。僕はほかの選手の手本となる様なふるまいを心掛けているし、若い選手たちともっと密に話したいと思っています。ただ、僕のドイツ語はまだそこまでよくないので……。とにかく、シュツットガルトで次の一歩を踏んでいきたいですね」

 キャプテンのゴンサロ・カストロが欠場の際は遠藤がキャプテンマークを巻く。それはチームで当たり前のことと了承されている。1人のレギュラー選手としてだけではなく、チームを導くリーダーとしての立ち位置を確立しているわけだが、それではリーダーとはどんな資質・役割が求められるのだろうか。

シュツットガルトはピッチ上で静かすぎ?

 というのも、「シュツットガルトはピッチ上で静かすぎないか」という指摘を目にしたことがあるからだ。

 例えば第7節のフランクフルト戦、第8節のホッフェンハイム戦と、2試合連続でリードを奪いながら最終的に引き分けてしまった後に、マタラッツォ監督も「ピッチ上でのコミュニケーションとボディランゲージをもっと望んでいる」と語っていた。

 そのような問題が浮上すると、メディアは決まって「チームを引っ張るリーダー気質の選手がいないことが原因だ」と書き立てる。そして、バイエルンのヨシュア・キミッヒのようにチームメイトを一喝し、身体を張ったプレーを見せ、勝利を渇望する思いを全身で表現できるような情熱的な選手を求め始める。

 ところが、ミスリンタートSDは別の見方をしていた。

「(そうしたリーダーの存在が)必要な要素の1つなのは間違いない。ただし、それだけが大きなテーマであるとは思っていない。確かに、前半戦のコミュニケーションで皆さんが求めるようなことができていたかと言うと、決してそうではない。だが我々は素晴らしいサッカーをしていたではないか。コミュニケーションとは、ただピッチで叫び合ってればいいというわけではない」

 では、ピッチ上で求められるリーダーの役割とは何だろう。

【次ページ】 「パスとは呼べない雑なボール」も来るけれど

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