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「デートに2000円の時計でいきました」イマドキの若手サッカー選手は高級車や時計に興味がない? “海外組”22歳FW原大智に聞く

posted2021/05/23 17:01

 
「デートに2000円の時計でいきました」イマドキの若手サッカー選手は高級車や時計に興味がない? “海外組”22歳FW原大智に聞く<Number Web> photograph by J.LEAGUE

2月にFC東京からクロアチアに移籍した原大智(写真はFC東京時代)

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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J.LEAGUE

 かつてプロサッカー選手といえば、ラグジュアリーな高級時計を腕に巻き、ハイスペックな高級車に乗っている印象があっただろう。

 たとえば2012年、本田圭佑が真っ赤なフェラーリに乗ってガガミラノの原宿店を訪れたことがあった。これは話題作りを狙ったプロモーションだが、「サッカー選手=高級時計×高級車」というイメージがあるからこそ成り立つ演出だ。

 アメリカでは、1990年代後半から2015年頃までに生まれた若者を「Z世代」と呼ぶ。SNSが当たり前のデジタルネイティブ世代で、価値観が変わってきていると言われている。はたして日本サッカーの「Z世代」は、これまでの選手と同じように高級時計や高級車に興味があるのだろうか?

 FC東京出身で現在クロアチアでプレーする原大智に質問すると、U-20W杯にも出場した将来有望な22歳は首をひねった(全2回の2回目/#1へ)。

「デートに2000円の時計をつけていったくらいで…」

「いやあ、僕は所有欲はそんなにないですね。食欲の方があります。焼肉が好きだし、甘い物も好き。揚げ物はオフにしか食べませんが、あまり気を遣うとストレスになるので『健康的においしく食べる』がモットー。なんでかなあ。とにかく時計や車に興味がわかないんですよ」

 今、原はクロアチアで結果を出している。2月にFC東京からNKイストラに加入すると公式戦で8得点(リーグ戦2点、カップ戦6点)。191cmの長身を生かしてヘディングではほぼ競り負けない。すでに欧州5大リーグのスカウトから代理人にコンタクトがあるという。  

 ところがピッチを離れると、倹約学生のような物欲のなさなのだ。

「時計は持っていないですね。昔デートのとき、ファンの方にもらった2000円くらいの時計をつけていったくらいです」

「今でも高級車は夢の1つだと思います」

 車も持っておらず、FC東京時代は自転車で通っていた。

「FC東京のときはチャリ通でした。免許は一応取ったんですけど、車は買わなかったんです。いわゆるペーパードライバーで。でも免許が6月に切れるので、クロアチアから帰国したらすぐ更新しようと思います」

 もちろんZ世代の全員が、原のように「物欲ゼロ」なわけではない。

【次ページ】 「今でも高級車は夢の1つだと思います」

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原大智
久保建英
FC東京
NKイストラ1961

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