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開幕から13戦無敗、J2新潟がこれほど強い理由… キーマン高木善朗&本間至恩を活かすアルベルト監督の手腕とは

posted2021/05/14 11:00

 
開幕から13戦無敗、J2新潟がこれほど強い理由… キーマン高木善朗&本間至恩を活かすアルベルト監督の手腕とは<Number Web> photograph by ALBIREX NIIGATA

左サイドで躍動し、好調の新潟を牽引するMF本間至恩

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安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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ALBIREX NIIGATA

 アルビレックス新潟の快進撃が止まらない。今季J2で13節を終えて、10勝3分。開幕から13戦無敗とクラブ新記録を更新中だ。

 そんな快進撃を支えるのは、13試合で31得点を叩き出す好調な攻撃陣。そのキーマンであり、現在の新潟で象徴的な存在となりつつあるのがMF高木善朗(28歳)とMF本間至恩(20歳)の2人である。

 4-2-3-1のトップ下でレギュラーの座を掴んだ高木は、神出鬼没な動きで相手のギャップに潜り込み、ミスの少ない高い技術でボールを収めたり、パスを展開して攻撃のリズムを作り出している。さらにフィニッシャーとしても高い能力を持ち、これまで6得点9アシストと大暴れしている。

 一方、左サイドハーフに位置する本間は、相手を欺く高速フェイントを駆使したドリブルで無双。ドリブルのキレ、タイミング、ボールコントロールの精度はJ2屈指で、相手からすれば「わかっていても止められない」といった感覚だろう。今季は4得点4アシストと、高木同様に目に見える結果を残している。

アルベルト監督のベースづくり

 今回、注目したいのは、この2人の「活かし方」だ。

 昨季から新潟はスペイン人のアルベルト・プッチ・オルトネダ監督を招聘している。以前までの新潟の攻撃陣はレオナルド、シルビーニョなどの外国人選手の強烈な個に頼りすぎる傾向があったが、アルベルト監督はそこに依存せずに、ベースとなる形を植え付けることを一から始めた。

 選手たちと積極的なコミュニケーションを図り、それぞれの能力やパーソナリティーを把握しながら、マイボールの時間を長くするポゼッションと攻撃から守備へのトランジションの意識とアプローチを徹底。速攻と遅攻を使い分けながら、選手の距離感を意識させ、ボールをロストした瞬間に素早くボール奪取に切り替えるといった明確なコンセプトを置いた。

 昨季はそのコンセプトがチームに浸透するまで時間を要し、J2リーグ11位とJ1昇格からは大きく遠かったが、アルベルト監督は今季もその信念をぶらさずに邁進している。

【次ページ】 高木に自由を、本間には勝負を

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