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【CSプレビュー】「課題も伸びしろ」宇都宮ブレックスが、苦手・川崎に連敗でも「今年は優勝しなきゃいけない」と思えるワケ 

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青木美帆

青木美帆Miho Awokie

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photograph byB.LEAGUE

posted2021/04/30 17:00

【CSプレビュー】「課題も伸びしろ」宇都宮ブレックスが、苦手・川崎に連敗でも「今年は優勝しなきゃいけない」と思えるワケ<Number Web> photograph by B.LEAGUE

川崎との戦いでアウトサイドシュートへの自信を取り戻したという遠藤。チャンピオンシップでの活躍にも期待がかかる

「ああいう局面で自分のフォーメーションを組んでもらって、それを決められたのはすごく久しぶりな感じがして。今季はほぼ、自分のシュートのリズムをつかめずにいましたが、あの1本で自分を取り戻せました。たった1本ではありますが、CS前に自信を取り戻せるシュートを打てたのは大きいです」

 第1戦終了後、遠藤は感慨深げにそう話した。

 宇都宮には遠藤以外にも、ロシター、ピーク、比江島、渡邉裕規ら、3ポイントを得意とする選手が多数いる。田臥勇太に次ぐチーム在籍年数を誇る遠藤が“打つべきシュートを打ち切る”という姿勢を取り戻したことは、大一番に向けた好材料になるだろう。

 ビッグラインナップへのディフェンスは課題が残ったが、第2戦の第4Qに講じたジェフ・ギブスの3番ポジション起用には、大きな可能性が感じられた。上背はないものの、強靭な肉体とディフェンス力を備えるギブスをアギラールにマッチアップさせたことで、宇都宮は失点を抑えることに成功。川崎の佐藤賢次HCも予想外だったと振り返るこの策を、CSでどのようにブラッシュアップするかに注目したい。

今年は優勝しなきゃいけないチーム

 ハイレベルな2連戦を終え、遠藤はこう言った。

「昨シーズンから川崎には勝てていないし、イメージ的には正直よくありません。天皇杯で負けて、ホーム最終戦で2連敗して、本当に悔しい思いしかしていないですが、そういうチームをCSで倒すチャンスがあるということに、わくわくもしています。ビッグラインナップへの対応などの課題も自分たちの伸びしろだととらえ、それが発揮されることを楽しみにCSを戦えたらなと思っています」

 この言葉に、以前テーブス海から聞いた「ブレックスのベテランたちは、強い相手とやればやるほど気持ちが入るし、接戦になってもまったくブレない」という話が重なった。

 このまま行けば、宇都宮はリーグトップの勝率でCSに入ることになる。チームが重ねた勝ち星は、“緊迫した試合をあまり経験していない”という脆さを同時にはらんでいたが、好敵手への連敗を経験したことによって、チームが本来備える、チャレンジャーとしての貪欲なマインドにスイッチが入った。

 安齋HCが「今年は優勝しなきゃいけないチームだと思っている」と評する宇都宮は、CSを前に、よりいっそう怖い存在となりそうだ。
 

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