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「ブレーメンでMF起用」不遇の大迫勇也が“代表初のハットトリック”で証明した自らの“戦闘スタイル” 

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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posted2021/03/31 18:10

「ブレーメンでMF起用」不遇の大迫勇也が“代表初のハットトリック”で証明した自らの“戦闘スタイル”<Number Web> photograph by JMPA

モンゴル戦で代表初となるハットトリックを達成した大迫勇也

 ひとくちに海外や欧州といってもそのレベルの違いはさまざまある。そして、大迫のように理不尽な評価にさらされる選手もいる。かたや相対的なレベルは低いのかもしれないが、自身の特長を伸ばすことに注力できるJリーグという環境で、進化を遂げる選手もいる。そういう選手が「だけど、このままじゃダメなんだ」と意識し、目指すべきものを体感できるのが、海外組とともにトレーニングし戦える日本代表というグループであるのは、もう20年以上続く、構図であることは変わらない。

変わらない「大迫流の戦闘スタイル」

 新型コロナウイルス感染拡大で、東京五輪も含み、そのカレンダーは大きく変わった。それでもカタール大会までのカウントダウンは進んでいる。

「U-24はU-24の試合で、あまり意識はしていない」

 アルゼンチンに快勝したU-24日本代表の躍進について、大迫はそう話した。そこには絶対的な自信を感じる。競争に勝ち残ってきたキャリアがあるからこその言葉だろう。若い世代の台頭は自身がそうであったように、上を脅かすのは当然のこと。改めて「刺激」というほどのことでもないのだろう。

「(ドイツでは)ポジションは違うけれど、アピールし続けないといけない。クラブでも絶対にチャンスは来ると思うので、しっかりとそれを狙っていきたい」

 自身3大会連続のW杯出場がかかるカタール大会。そのピッチに大迫が立てる保証はない。代表入りを争う戦いの主戦場は、やはり所属クラブであることに違いはない。その現実はいつでもどこでも誰にとっても同じ。

 だから、試合に出ていない選手を代表へ呼ぶのかという声もある。しかし、そんな声を払拭する仕事を見せた大迫。過去2大会同様、どんな状況下でも不遇に心を惑わされず、日々に全力を尽くすのだろう。それが大迫勇也の戦闘スタイルだと、あらためて思う。

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